菜の花通信

月別アーカイブ: 2019年6月

正木の家6月

★変わらないことを大切に

先月、新しい入居者K様が入所されました。
29年の12月から入所を希望されていて、ようやく正木の家に入所となりました。

利用申し込みに来られた時のK様はまだ要介護2。
ご自分で歩いておられ、耳は遠いもののしっかり受け答えもできていました。

施設内のご案内をしている時、隣にいた私の手をそっと握り、にっこり微笑んでくれたのをよく覚えています。
1年半ぶりに会ったK様はどこか遠い目をして車椅子に座っておられ、表情も乏しく、
受け答えもほぼ出来ない状態でした。

1年半でこんなに変わってしまうものかと、認知症の怖さを改めて実感しました。

しかし変わっていないところもありました。
時折見せてくれる笑顔の可愛らしさは1年半前、初めてお会いした時と変わっていません。
職員の顔をしっかり見て、こちらが向ける笑顔に笑顔で返してくれます。
介助をすると必ずと言っていい程「ありがとう」と、言葉をかけてくれます。

そんなK様に職員の方が癒され、元気をもらっています。

認知症の進行とともに変わってしまったところもたくさんあるでしょう。
しかし、 K様の根源的な部分は変わっていないのだろうと感じます。
入居者様のご家族やお友達から「認知症になって変わってしまった」と言われる事があります。
ついつい変わってしまった事にばかり目がいってしまうのでしょう。
しかし変わらない部分は必ずあります。変わらない部分こそ、大切にしていくべきところなのだと、私は思います。
K様の変わらない笑顔、正木の家でも大切にしていきたいと思います。      

あすか

今思うこと6月

平成21年5月、ふとしたきっかけから、戸建の民家を改装して
「少しの見守りがあれば、最後まで安心して暮らし続けられる」
をコンセプトにした松原のいえ運営が始まりました。
入居者4人と管理人で5人という家族?構成。

発起人で当初から管理者を務めていた人が、意見の相違から途中で去り、
成り行きというか責任上、私が管理者として泊まることになったのが翌年2月でした。
その日の夜、雑記ノートに「死ぬ時はみなひとりだし、今から先のことを想像しても意味ないし・・。
家族でもあり家族でもなし。でも一緒に居る不思議。トイレやおやすみなさいを済ませてから風呂に入りました。
桶を洗うスポンジや洗面器がないこと、風呂に入って気が付いた・・・(後略)。」と綴っていました。

およそ十年前になります。その後、亡くなられた方や、他の施設へ転居された方など、
いろいろな人生を見送らせていただき、可能な限り・・というか、ほぼすべての告別式にも参列してきました。
これって、やはり家族の領域?ですか。
そう言えば、施設に入っていた友人の親が亡くなられ、告別式に参列したのですが施設の関係者は
誰ひとり居なかったなぁ。

それぞれ施設の運営方針にもよるでしょうし、大規模な施設では亡くなられる方も多いでしょうから、
いちいち参列などしてられないか。

アドバンス・ケア・プランニングについては前にも触れましたが、人生最終章の組み立てについて、
いろんな例がメディアでも紹介される昨今。
どこでどんな最期を迎えるのか、決定するのも自分自身・・という時代が来ているようです。
そんな中、消えていく命の一番近くで仕事させてもらうのは、大変なことも多いけど、
すごく学びの多いことなんだと、ことあるたびに痛感します。

この先、施設運営にこれまでと変わるところはないでしょうし、変わらず精進しようと思います。
過ごしにくい季節ですが、どうぞお元気でお過ごしください。              

丸山秀樹