菜の花通信

カテゴリー別アーカイブ: 正木の家

正木の家11月

11月5日(木)バス旅行に出かけました。
今年はコロナウィルスのおかげで、楽しみにしていたイベントも軒並み中止。
入居者様のお楽しみが激減しておりました。

そんな中、コロナが落ち着いてきたこのタイミングを逃すまいとバス旅行を決行。
観光バスで『アクア・トト』に行ってきました。
入居者9名様全員、トータル753歳のバス旅行がスタート。

バスに乗り込むや否や、職員の膝枕で気持ちよさそうに眠るT様。
大須の街並みを観て「変わったね~」と得意セリフのN様。
そうこうしているうちにあっという間に到着です。

まずはご飯。
カレーや唐揚げ丼等、皆様モクモクと食べ進めます。
いつもと同様、ご飯までは平和、その後はてんやわんやです。
K様は食べ終わると、テーブルに貼ってある感染予防の注意書きを剥がして回り、
しまいには侵入禁止のポールを外して中にまで入ろうとする始末。
そしてそれに振り回される社長丸山。散々社長を振り回しぐったり疲れて座り込み。
そんな男性2人をおいて女性陣は水族館へ。
はじめは魚に興味を示すも、意外に広い館内に疲れて魚どころではない状態。
ぐったりしながら水族館を観終わるも、デザートのアイスクリームを食べると全員復活。
後半追いついたK様も何事もなかったかのように、嬉しそうにソフトクリームを食べました。

そして帰りのバスはいつもと同様、響き渡るM様のしゃべり声。あれやこれやとありましたが、
皆様無事に帰ってこられました。どこに行っても、何もしても、皆様お変わりなくて何よりです。

来年も皆様変わらずお元気で、762歳のバス旅行に行けることを願っています。

あすか

正木の家10月

最近、河野太郎に夢中な私。
おもしろTwitterも、サスペンダー姿も好きですが、何より話が分かりやすい。
知識をひけらかす事なく、難しい言葉を使わず、回りくどくなく、
政治や政策に詳しくない私にもストンっと入ってくる。

聞く相手が分かりやすいように話をするには技術も必要ですが、
何より思いやりなのだと思うのです。
ただ自分の知識や考えを話すのではなく、相手が分かりやすいように話ができる。
そんな思いやりのある太郎さんが大好きです。

自分の伝えたい事を、分かりやすく相手に伝える事は本当に難しいと思います。
特に認知症ケアではその難しさはひときわです。
言っている事が理解しにくい入居者様に対して、どう分かりやすく伝えるか、
正直毎日手探りです。

例えば、座るで伝わらなければ、違う言い回しで。
腰を掛ける、腰を下ろす、お尻を置く。それでも伝わらなければ自分が座って見せる。
食べるが伝わらなければ、箸を持つ、掴む、口に運ぶ、とひとつずつやり方を伝える。
毎日まいにち、どう言ったら伝わるのか試行錯誤です。
うまく伝わらない事もしょっちゅう。でも、どうしたら伝わるのか、
それを考える事も思いやりだと思います。

思いやりとは「思い」を「遣る」。
思いを相手に向けるという意味なのだとか。上手に出来なくても、
相手の事を考えて行動出来たら全て思いやりです。
太郎さんのようには出来なくても、思いやりの心は忘れずにいたいです。

あすか

正木の家9月

おしゃべり大好きM様。正木の家に入所して早5年。
入所してから5年間、ずーっとおしゃべりです。

94歳になっても相変わらずおしゃべりです。 
誰かが話し掛けなくとも、基本的に1日中おしゃべりしています。
M様の声が聞こえないと、職員がみんな不安になるくらいです。

そして更に感情も豊か。
「お父さんがどっかいっちゃった」と、泣きながら話される時もあれば、
「おまえは馬鹿か!」と、何かに怒っている時があったり、「ご飯ちょーだい!」と、
可愛くおねだりしている時があったりもします。時には急に東京音頭を唄いだすことも。

頭のいい人なのでしょう。
言葉のチョイスがとても面白く、聞いててつい、クスッと笑ってしまうことも。

「話す」は「放す」に通ずると言います。言葉に出して話すということは、心を開け放ち、
溜まっていたモヤモヤを身体から放してくれる効果があるそうです。

M様は溜まったモヤモヤを手放すのがとても上手なのでしょう。
嫌なモヤモヤを毎日少しずつ手放し、すっきりきれいな心と身体になる。
おしゃべりな人が長生きと言われるのも、なんだかわかる気がします。
M様はきっと元気に長生きされることでしょうね。

あすか

正木の家8月

長かった梅雨が開け、灼熱の日々が続いております。
更に今年はマスク着用を余儀なくされ、地獄のような夏。

正木の家でも、コロナウィルス感染予防の心配が常に付きまっとていますが、
今のところ大きな事故や急変もなく、なんだかんだと平和な日々。

コロナでピリピリしてはいるものの、正木の家は平和だな~と思っていたのもつかの間。
8月に入り「K様、H様突き飛ばし事件」、「N様お久しぶりのてんかん発作」などが勃発。
歩き回るK様に業を煮やして注意したH様、逆切れしたK様に突き飛ばされて転倒。
股関節の痛みを訴え受診しました。幸い骨折はないものの、1週間しても痛みが治まらず、
今も車イス生活です。

N様もこの2週間で2回のてんかん発作があり、頓服薬を服用し発作は治まっているものの
心配は否めません。

私、ちょっと平和ボケしておりました。が、どうも平和ボケは長くは続かないようです。
ボケボケしていられなくなる時は必ずやって来るのですね。

灼熱の夏。ボケボケせず、皆様の熱中症や脱水に気を付けたいと思います。

あすか

正木の家7月

K様の室内履きが古くなってきたので、買い替えることにしました。
しかし、新しいものをなかなか受け入れてくれないK様。
今までもご家族が新しく買ってきてくれた洋服を、「私のじゃない 」
と言って着てくれなかったこともしばしば。

試し履きをしてもらった時にも、「 まだ履けるから新しいのなんていらない」 と拒否。
でも外反母趾がひどく、今の靴では歩きにくそうだし、足にもよくない。

そこで一考。お風呂に入っている時に靴を入れ替え、素知らぬ顔で靴を置いておくことにしました。
すると、私たちの心配をよそに、何事もなかったかのように普通に履いて、
その後も靴についてK様から触れてくる事はありませんでした。

ひと安心ですが、なぜ普通に受け入れる事ができたのか。
私が思うに、気に入ったという事なのだと思います。
試し履きしたのはブルーですが、新しい靴はピンク色の可愛らしいもので、
好みの色や形が受け入れられたのでしょう。

人に対してもそう。訪問マッサージの先生も、好みの顔ならすんなり受け入れ、
好みじゃなければ受け入れるのに時間がかかります。

K様にとって新しいものや人を受け入れるのに一番重要なのは好み・・・かな。
やっぱり認知症は素直で正直。

先日テレビで歩くパワースポット、湘南乃風のSHOCKEYEさんがこんな事を言っていました。
「 ワガママ」と言ってしまうと悪く聞こえてしまうけど、「 我が道を行く」と言えばいいように聞こえる。
なるほど。認知症は『我が道を行く』ですね。

あすか