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正木の家 2月

カテゴリ名: 正木の家

昨年、年が暮れるのと同時に入居者K様90年の生涯も暮れようとしていました。

30日から食事が食べられなくなり、少しの水分と点滴のみ。

起き上がることもできず、ベッドで一日を過ごしておられました。

年が明けると少し元気を取り戻し、アイスクリームやプリンを数口召し上がられるようになりましたが、
90年頑張ってきた身体はもう限界だったのでしょう、1月11日の11時50分に永眠されました。

 

ご家族は近くに住んでおられた事もあり、調子を崩されて以降ほぼ毎日のように面会に来て下さいました。

最後も大好きな息子様に看取られ90年の人生を閉じられました。

息子様の通夜でのご挨拶に、こんな言葉がありました。

「母は昔から心配性で、いつも何かを心配し、

心配事がなくなると、心配事がない事を心配しているような人でした。

しかし、80歳過ぎあたりから、母は忘れる事を覚えました。」・・・と。

 

忘れる事は悪い事ばかりではありません。

自分を守る、回りを安心させることができるひとつの手段なのかもしれません。
認知症は困った病気ではなく、前向きに向き合えば悪い事ばかりではないのかな。

 

 

(あすか)