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正木の家3月

カテゴリ名: 正木の家

2月3日、S様が正木の家に入所されました。大正産まれの95歳。
目が合うと「なに~」と言いながら微笑んでくれるとても愛くるしい方です。

静岡で一人暮らしておられた後、娘様の暮らす名古屋にやってきました。
認知症の進行と共に夜間のおトイレが上手くいかなくなり、入所を考えられたそうです。
昨年7月に娘様が見学に来られましたが、その時正木の家は満床。
8月に特養に入所されたようでした。

正木の家が空いた連絡をしたところ、特養から正木の家に転所してこられました。
娘様も特養に特に不満があるわけではないので悩まれたそうです。
S様のご姉妹に相談したところ、「私ならやっぱり個室がいいかな。」
と言われ、転所を決断されたとのことでした。

転所を決められた後、ふと思い出したことがあったそうです。
S様には1歳の時に病気で亡くした息子がいて、その息子の名前が「正樹(まさき)」だったと。
娘様は産まれる前で会ったこともないけれど、ご自宅のお仏壇に「正樹」と名前があったそうです。
それを思い出し、「最後は息子のもとに帰るんだね・・」と話して下さいました。
その話を聞きながら「ご縁ですね」と娘様と2人で涙ぐんでしまいました。

S様はもう息子の事は覚えていません。
娘様も「こんなつらい事覚えていない方が本人は幸せだと思う」と言われました。
それでも縁がS様を息子のもとに連れてきてくれたように思います。
縁が運んでくれた名古屋にある息子の名前の場所で、これからのんびり楽しく
暮らしてもらえたらと思っています。

あすか