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カテゴリー別アーカイブ: 正木の家

正木の家 2月

カテゴリ名: 正木の家

★おめでとうをいつまでも・・

入居者T様の白寿の会。
息子さんご夫婦、お孫さん、入居者様、職員とみんなでお祝をしました。
更に町内女性会の方々も舞踊を披露して下さり、
お祝いに花を添えて下さいました。
とても温かくT様の人柄溢れる会となりました。
何年か前、T様がこんな事を話してくれたことがありました。
「結婚する予定だった人が戦争に行ってしまってね。
僕の事は待たなくていいからと言われたけど、私はずっと待ってたよ。
無事に帰ってきてくれ結婚できたんだ。」 と。
戦争に婚約者をとられ、それでも待ち続けて結婚でき、
3人の息子を育てながらご主人の会社の経理をし、68歳でご主人を亡くし、
その後も息子さんが継いだ会社を 歳まで手伝い、
きっと大変な苦労だった事と思います。
しかしそんな苦労の中でも家族への愛情は忘れなかったの
でしょう。ご家族のT様に対する愛情がひしひしと伝わってくる白寿の会でした。
このような素敵な会を正木の家で開くことがで
き、本当に嬉しい限りです。
本当に本当にいつまでもお元気でいてほしい。
そう願ってやみません    

(あすか)

正木の家 1月

カテゴリ名: 正木の家

★たべる食べる

明けましておめでとうございます。
正木の家はどなたも体調を崩すことなく、
平穏無事に新年を迎える事ができました。
お正月はおせちとお雑煮をたくさん食べ、闇之森八幡社に初詣に出掛けました。
昨年暮れからお餅、お寿司、お寿司お餅、おせちと皆様食欲全開です。

人は口から老いるとも言いますが、入居者様の食欲は全く老いを感じさせません。
99歳、ミキサー食ながらも毎食完食のT様。
総入れ歯ながら、好きな物なら固くても意地で食べるM様。
自分の食事が終わると、職員が食べている所に「俺のないか」と聞きに来るK様。
いつも「今日のご飯何?」 「お腹空いた」と言っているN様。
老いを知らない皆様の食欲は、昨年に引き続き今年も健在。
やっぱり食べる事は生きる事なんだなと実感させられます。
そしてなにより楽しく食べる。これ大事です。

次は決算餅つき大会で楽しく食べましょう。
たらふくお餅を食べた後にぺろりとお昼を完食する姿が目に浮かびます( 笑)。  

(あすか)

正木の家 12月

カテゴリ名: 正木の家

★うたは世につれ・・

11月11日中区役所で行われた「介護まつり」ののど自慢大会に、
正木の家の歌姫S様が出場しました。
曲は十八番の「東京のバスガール」。
横断幕や応援うちわを持って入居者様、職員総出で応援に行きました。
唄ごえ十八番のお客様も花束を持って応援に駆け付けて下さり、
皆様のS様愛を感じました。

そんなS様は緊張した様子もほとんどみせず、
「○○ちゃーん」の声援に笑顔で手を振り、「発車~往来~♪」のところでは、
打ち合わせもしていないのに振りをつけての余裕っぷり。
唄った後、庄野アナウンサーとOSUとのトークにも沢尻エリカなみの「別に」。
大御所歌手のような貫禄に感心させられました。

入所当初から続くS様の活躍ぶり。正木の家が地域の方々に受け入れられてきた事も、
S様の活躍なくしては語れません。
これからも正木の家の歌姫の活躍を期待したいと思います。

来年8年目を迎える正木の家。
皆様と一緒に楽しみ、笑顔で暮らせるホームを
目指して精進していきたいと思っています。
良いお年をお迎えください。    

(あすか)
 

正木の家 11月

カテゴリ名: 正木の家

★わたしのジョウシキ?
昼食のカレーを、入居者様と一緒に食べていたある日のこと。
テーブルの向かい側でK様がカレーをお箸で食べようとしていました。
そのK様を見て、ついつい出てしまった一言。
「Kさん、スプーン使ったら?」
言った瞬間に「あっしまった!」と思いました。
案の定、「 これでいいんだわ」と箸で食べ続けられました。
余計なひと言だったのです。
カレーはスプーンで食べるものというのは、私の勝手な常識です。
何で食べたっていいのです。
美味しく食べられたらそれでいいのです。
私達が生活する為には、一般的に言う「常識」は欠かせないものです。
しかし、認知症の人と接する時、これが時々邪魔をします。
その人(認知症の人)独自の感覚や価値観に、
自分の常識を押しつけてしまう。そして、つい
つい余計なひと言。
介護の現場で働いている人なら、少なからず思い当たる節があるのではないでしょうか。
見守り、その人のその時の常識を理解し受け入れる。
分かっちゃいるけど難しい…。(あすか)
 

正木の家 10月

カテゴリ名: 正木の家

★なんだか楽しそう

最近、 T様がお昼寝中に手を挙げ誰かとお話をしたり、
食事中に誰もいない所を見て、「 ○○さん」と呼びかけていたりします。
M様は何もないテーブル上から何かを拾い集めては口に運びを繰り返し、
「はーお腹いっぱい」と満足気に言われたりします。
幻視か?! でもなんだか楽しそう。
お2人の姿を見ているとマイナスイメージの幻視が、
なんだか楽しい事のように思えてしまうのです。
話相手がいれば寂しくないし、食べてないのにお腹いっぱいになるなら、
なんか得した気分になります。
もちろん人によって見えるものは違うし、虫や蛇が見えてしまったら楽しいなんて言ってられません。
でも幻視全てが悪い事ではないし、無理に消そうと躍起になる必要もないのではないかと思います。
見えない物が見えていようと、本人が楽しそうならそれで良し。
そのくらいに構えていた方が、きっと介護は楽しいものになるのだと思います。
症状にばかり目を向けるのではなく、入居者様本人に目を向け、
不安があれば原因を探り対処法を考える。楽しそうならそれでOKでしょう! 

(あすか)

正木の家 9月

カテゴリ名: 正木の家

★なにかできることはないの?

8月半ばあたりからW様の状態が芳しくありません。
パクパク食べていた食事がほとんど進まなくなりました。
口を開けてもらえない為、私達にはどうする事もできず、
先生に相談するも出てくる言葉は胃ろうか経管栄養。
しかしご家族は望んでいない。
こんな時、何もできない自分に無力感を感じます。
点滴も細い血管では限界がある。
飲めない、食べられない。口を開けたくても開けられないのか。
言葉をほとんど発しないW様の気持ちも知る事ができない。
私達にいったい何が出来るのか。
それとも食べてほしい・・と思うのは私のエゴなのか。
そんな無限ループに陥ってしまいました。
今でも答えはみつからず・・、
答なんてないのだと思います。
じゃあ何もしなくていいのか。そんな訳ありません。
最後まで出来る事を探すのが私達の仕事です。
気持ちは分からなくても、寄り添う事しかできなくても
「私達にしかできない何か」を探究していきたいと思います。
ちなみに、今では少し口を開けてくれるようになってきました。
W様が言っている気がします。
「しゃーないなぁ」と。

(あすか)
 

正木の家 8月

カテゴリ名: 正木の家

★私は迷惑かけてるの?

月壱屋のお客様がこんな事を言っていました。
「介護されるようになるのは嫌だな~」。
まだ元気な人はこう思います。
実際私も「自分の面倒くらい自分でみたい」と思っています。
ではなぜ嫌なのか。『介護される=人に迷惑をかける』と考える人が
多いのではないでしょうか。
入居者のH様、この所入浴拒否が強く、職員も悪戦苦闘。
入浴を断る時はきまって「私は一人だから風邪引いてまわりに迷惑をかけたくない」
と言われます。
お風呂に入るのが嫌なのではなく、迷惑をかけるのが嫌なのです。
I様の場合は必ず「迷惑かけてごめんね」と何度も言ってくれます。
迷惑をかけたくない、申し訳ない、そんな思いからでしょうか。
大手を振り、喜んで介護を受ける人はほとんどいないでしょう。
それでも入居者様は不本意かもしれませんが介護を受け入れてくれています。
更に「迷惑かけてごめんね」と、そんな優しい言葉もくれます。
「ありがとう」と感謝もしてくれます。
そんな思いにしっかりと寄り添える介護者でありたいと思います。    

(あすか)

正木の家 7月

カテゴリ名: 正木の家

★ヒトは忘れる!(正木の家)

『健康寿命の延伸10か条』という冊子に
「ヒトは忘れるようにできていて、モノは無くなる」とありました。
とは言え、忘れられずクヨクヨ引きずってしてしまう時は、やはりあります。
入居者のK様、キャリアウーマンで定年後もひとり暮らしをしておられましたが、
限界となり昨年入所されました。
入所後、住んでいた家をお姉さんが片づけると、
認知症に関する冊子や、認知症の講演会の資料、ありとあらゆることをメモした紙、
などがたくさん出てきたそうです。
忘れていく自分に気づき、私は認知症ではないかと不安になり、認知症について調べ、
話を聞き、さぞ不安な日々を送っていたと思います。
そんな日々も過ぎ、今のK様は忘れていることを忘れます。
テレビで認知症についてやっていても他人事。
他者様を見て、「 あの人、何を言っても憶えていないのよ!」と怒ったりします。
さて、それは本人にとって悪い事でしょうか。
「 私は認知症ではないか」と不安に襲われ、悩んでいた頃に比べたら
何倍も健康的な気がします。
忘れてしまえばクヨクヨもしない。
ある意味、健康寿命の延伸10か条の一つをクリアです。
                 
(あすか)

正木の家 6月

カテゴリ名: 正木の家

★まさか!?(正木の家)

W様に2週間前、歯科の先生より奥歯のインプラントが
2本グラグラだから抜いたほうがいいと提案。
その2週間後、まさに抜こうとした時、
「ない!?」 抜く筈だったインプラントが見当たりません。
抜けたモノを見た職員もおらず、
飲み込んでしまったのではないかと大騒ぎ。
今迄も抜けた歯を飲んでしまった入居者様はいたものの、
やせた小さなものばかり。今回のインプラントは2連で2センチ角程の大きさ。
これは危険!レントゲンにくっきり映っているモノを見て
「この大きさ、小腸通るかな~」とつぶやく北川先生。
クリニックでは取れないので、その足で坂文種病院へ。

モノは十二指腸の手前位にあり、今なら内視鏡で取れるとの診断。
ご家族と相談し、内視鏡でとる事になりました。
消化器内科の先生の悪戦苦闘の末、なんとか大きなモノを取ることが
できました。大きな出血もなく、念のため3日ほど入院し無事に帰宅。
飲み込んだ時や、内視鏡の時、どんなに苦しかったことか。
歯科医も「まさか飲み込めるとは」と驚いていました。

高齢者には、まさかが命取り。
気づいたら先延ばしにせず、すぐに対処しなければいけませんね。
今回の件、新たな教訓を得させてもらいました。   

(あすか)

正木の家 5月

カテゴリ名: 正木の家

★たすけて! お助けアイテム!

正木の家の人気番組、「志村けんのバカ殿様」
1986年からやっている長寿番組で、きっと皆さんもご存じのはず。
テレビでの放映は必ず録画しています。
入居者同士の言い合いが始まった時にはすかさず登場。
志村けんが画面に出てくると場の雰囲気が一変、
笑いに包まれます。
何度けんさんに助けられた事か。
分かりやすい動きの見える笑いは、認知症の人も理解しやすいようで、
いざという時のお助けアイテムです。
他にも、嚥下機能が低下してきたU様のお助けアイテムはお煎餅と氷。
これがあれば食事もお茶もごくごく飲みこめます。
K様はパズル。
アイテムが機能しない時もありますが、
パズルを出すと集中して取り組まれます。
その人その人に合ったお助けアイテムを活用しながら、
日々奮闘中の正木の家です。
                 

(あすか)