正木の家6月
カテゴリ名: 正木の家
★変わらないことを大切に
先月、新しい入居者K様が入所されました。
29年の12月から入所を希望されていて、ようやく正木の家に入所となりました。
利用申し込みに来られた時のK様はまだ要介護2。
ご自分で歩いておられ、耳は遠いもののしっかり受け答えもできていました。
施設内のご案内をしている時、隣にいた私の手をそっと握り、にっこり微笑んでくれたのをよく覚えています。
1年半ぶりに会ったK様はどこか遠い目をして車椅子に座っておられ、表情も乏しく、
受け答えもほぼ出来ない状態でした。
1年半でこんなに変わってしまうものかと、認知症の怖さを改めて実感しました。
しかし変わっていないところもありました。
時折見せてくれる笑顔の可愛らしさは1年半前、初めてお会いした時と変わっていません。
職員の顔をしっかり見て、こちらが向ける笑顔に笑顔で返してくれます。
介助をすると必ずと言っていい程「ありがとう」と、言葉をかけてくれます。
そんなK様に職員の方が癒され、元気をもらっています。
認知症の進行とともに変わってしまったところもたくさんあるでしょう。
しかし、 K様の根源的な部分は変わっていないのだろうと感じます。
入居者様のご家族やお友達から「認知症になって変わってしまった」と言われる事があります。
ついつい変わってしまった事にばかり目がいってしまうのでしょう。
しかし変わらない部分は必ずあります。変わらない部分こそ、大切にしていくべきところなのだと、私は思います。
K様の変わらない笑顔、正木の家でも大切にしていきたいと思います。
あすか