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正木の家10月

カテゴリ名: 正木の家

最近読んだ小説にこんなことが書いてありました。
早く死なせたいなら、過剰な足し算介護をして被介護者の動きを奪うことだと。
足し算介護とは、手当たり次第に利用者さんのできないことを手伝うことにより、
介護者のすることが足し算のように増えていってしまうことです。
もちろんそんなつもりはないけれども、足し算介護に思い当たるふしがないわけでもない。

転倒のリスクを考え、ついつい手を出しすぎていないか。
又はすぐ車椅子を使ってしまっていないか。
食事をこぼしてしまうからとついつい介助してしまっていないか。
ちょっと失敗してしまうだけで、まだトイレで排泄ができるのにリハパンやオムツにしてしまってないか。
洗濯物をたたむのが上手に出来なくなったからと、職員が全部やってしまっていないか。

もちろん介護者としては良かれと思ってやってるし、被介護者の動きを奪おうと思ってやっているわけではありません。
がしかし、やりすぎてはいないだろうか。
必要以上に手伝うことはしない、けど介護が足りないことはない。
この絶妙なバランスをとるのはとても難しいです。
でもやっぱり原点に戻り、入居者様の今出来ることに目を向け、観察し、更に結果に完璧を追求しすぎないのが一番ですかね。
なんだかドキッとさせられたそんな小説でした。

あすか