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カテゴリー別アーカイブ: 今おもうこと

今おもうこと  H26.3

カテゴリ名: 今おもうこと

事務所の窓越しに見てもわかるほど、線路沿いに並ぶ桜の枝先が赤く膨らんできました。春もいよいよ本番間近ですが、朝夕の冷え込みや花粉症対策で体調管理も大変な季節です。
毎日ありがとうございます。皆様おかわりありませんか。

原稿を書いている今日は3月11日。3年前の震災がもたらした過酷な現実に対し、ほとんどの問題について未だ解決の糸口すら見出せていないのが本当のところではないのかと、新聞の特集記事を読みながら痛感しました。
さりとて復興支援の物資を購入するほか私に出来ることも見当たらず、せめてもの思いで、未来のことについてちょっと視点を変えて考えてみました。

もとより日本は火山列島で、極論を言えば絶対安全な場所などありません。
生命の存続も含め、いつどんな場面で天変地異による試練に遭うかは、人が伺い知るところではないわけです。
ならば。

そんな事態に遭遇しても生き抜けるよう、自己責任でサバイバル術を少しずつ身につけてはどうでしょう。地震か、火災か、水害か、なにが災いするかは不明なものの、命があれば次の行動に移れます。

四季折々の美しい変化や山海の幸に恵まれている日本ですが、そんな好条件も時として牙をむきながら生命を脅かす魔神と化します。
災害に見舞われ、漆黒の闇の中で夜明けを待つために何をどうしたらよいのか。
茫然としながら援助の手を待つより、手近なもので火をおこしたり水を確保したりする術を身につけ、命を守るために対処するのはとても大切なことのように感じます。
(ほんの数十年前までは、皆さん普通の生活手段として取り入れていたことだったのでしょうけど・・)

自然を敬い、知恵と少しの道具を使って命をつなぐといえばサバイバルと言えますが、有史以前から人類が生きのびるためにやってきたことですよね。連綿と続いている技の遺伝子、ボタンやスイッチを押して生活することに慣れすぎてしまった私たちの体にも、きっといくらかは残っている筈です。

いよいよ躍動の季節到来!
引き出しの奥にしまってあった十得ナイフをリュックに入れて、野山に出かけるところから始めてみようと思っています。
素敵な春。皆様どうぞお元気でお過ごしください。       丸山秀樹

今、おもうこと  H26.2

カテゴリ名: 今おもうこと

雪に見舞われたり、氷点下の朝が続いたりと、立春を過ぎて尚、寒さが増しているようにも感じますが、陽射しは日増しに力強くなり、春が確実に近づいてきているようです。まだまだ手袋やコートを手放せない日が続きますが、皆様お変わりありませんか。
日中の移動に車を利用することが多く、車内で聴くラジオやCDの音楽は欠かせないものとなっています。そんな毎日、普段はほとんど聞き流しているラジオの音楽に、ふと耳を奪われたりする瞬間があります。
記憶に残る映像や、遠い昔に刷り込んだ感情などを、流れる音楽が思い出させてくれるといえばわかりやすいでしょうか。仰げば尊し♪を聴くと卒業式を思い出すようなものかもしれませんね。
過日、耳に残ったのは「ふるさと♪」という曲でした。
誰にだって生まれた場所はあるし、その場所を含めた家庭環境は、たとえ短い期間だったとしても、やはり故郷そのものでしょう。その後の人生において、結婚して引越しをしたり、仕事の都合で転勤になったり、意図するところとは別の事情で転居せざるをえなかったり・・・。
ままあることだと思います。
原稿を書いている今は、折しも東京都知事選の最中。故郷を捨てたくないのに捨てざるを得ない状況におかれている方々の切実な想いが、民意に反映されることがあるのだろうか?と少しいぶかったりもします。
自身の少年期、ウサギこそ追えなかったものの、小鮒は毎日のように釣って遊びました。田園地帯に変わりませんが、今では川のほとんどにコンクリートの蓋がついて、おもむきは変わってしまったようです。
その後、就職で東京、子どもができて八ヶ岳と、それぞれ10年近い時間を過ごしましたので、当時の環境や、都度お世話になった方々の顔を思い出しながら、住んだ場所を「ふるさと」と呼べなくもないのかなぁと、懐かしさ半分ですが感じたりもしました。
我が人生、いくつになっても開拓途上でありまして、こころざしを果たしていつの日にか帰るべき場所がどこなのか、いまだ見当もつきませんが、毎日ひたひたと、生きるために懸命に暮らしている方々の多くは、もしかしたら同じような心境なのかな。地図にもないけど、心の奥にある大切な場所。そこを想う人々の気持ちこそが「ふるさと」だとしたら、ちょっぴり素敵だなぁ・・なんてツラツラと思いました。ほんの2分半のことですが。
春はもうすぐそこまで来ています。どうぞお元気でお過ごしください。       丸山秀樹菜の花

今おもうこと H26.1

カテゴリ名: 今おもうこと

新しい年が始まりました。例年のことですが、元旦からお仕事を引き受けてくださった方々には、改めてお礼申し上げます。暦の上ではまもなく大寒。寒さも一段と厳しくなりますが、本年も変わらずご活躍くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

私の元旦は松原の泊まり明けでしたが、ちょっとは正月らしくしようと思い、入居者の皆様とお屠蘇で新年を祝いました。自身のことで恥入りますが、毎年少しずつ旧年と新年の区別がつきにくくなり、歳と共に感性や情緒が鈍化しているのかなぁと顧みたりします。正月三ヶ日ぐらいでしたか、お店もデパートもしまっていて、せっかくもらったお年玉を使う場所もなく、家でカルタをめくったり凧揚げをしたりしたのは、もうずいぶん昔の話になってしまいました。当時、お店がしまっていたせいもありますが、年末からお正月にかけての気分の変化や高揚は絶大で、子どもながらに「今年はぜったい○○するぞ!」みたいな決意を新たにしたものでした。ひるがえって昨今、元旦でも食料品や日用雑貨を買うのに苦労することは皆無となり、普段同様の生活ができます。自身の感性が鈍化してしまったこととは無関係かもしれませんが、暮らしの中に年越しとかお正月といった風情が少なくなってしまったのは事実だろうと思います。

今の事業を始めてみて実感したことですが、地下鉄やバスの運行、ホテルや旅館も同様、介護という仕事に盆や正月がないのは事実です。ましてや医療機関など、人命に関わる仕事に携わっている方々にとっては、元旦と普段の日に差があってはいけないわけで、何やら一員としての責任の重さを感じたりもします 。超高齢化社会と言われて久しいですが、この先、日本の人口構成も変化し続け、およそ4割の人が 75歳以上となることを予測しています。当然のことながら、医療や介護を要する人も増え続けるわけですが、正月返上でそこに対峙してくださる人がいったいどれほど必要となるのか??。正月に限らず、少し手を止めて、自分の来た道や行く末をじっくり眺めたりするのはとても素敵なことだと思います。新たな1年を迎える節目を、そうやって心静かに過ごせるなら尚ありがたいですが、仕事で少し後回しになったとしても、営業している店や地下鉄同様、今の時代は仕方がないのかもしれませんね。

なにはともあれ、新たな年。今年も1年どうぞお元気でお過ごしください。

丸山秀樹

ヘルパーのつぶやき  H25.12

カテゴリ名: ヘルパーのつぶやき

お世話になっている福祉用具の会社の方が、介護用ロボットスーツの試作品を持ってきてくださいました。それを身につけると、少しの力で相手のからだを持ち上げたり、移乗したりができるというものだそうで、試着もさせていただきました。

将来的には着た人の呼吸の強さで操作することになるそうですが、この日は横でボタンを押してもらってのお試しです。せぇの~、で操作をしてもらうと、腰を誰かにうしろから持ち上げてもらっているような、同時に太もも部分もサポートされているような感じ。

たしかに、これが普通に使いこなせるようになれば、腰痛防止の強い味方になりそうです。

ロボットといえば、数年前、自動尿取りロボットをいちはやく使われたご家庭がありましたが、あと始末がけっこう大変で、何よりも使われたご本人の拒否が強く、すぐにやめてしまったことがありました。そりゃイヤですよね、オムツの中で機械が動いてオシッコが吸われるなんて。

私たちが後期高齢者になるころの、近未来の介護業界はどうなっているのでしょう。みんなが幸せになれるロボットが完成しているといいですね。   (玉)

今おもうこと  H25.12

カテゴリ名: 今おもうこと

朝晩の冷え込みも厳しくなり、年の瀬間近!と実感する時期になりました。何かと気忙しい毎日ですがお変わりありませんか。
今年も皆様のお力添えで、大きな事故なく1年の終わりを迎えられそうです。ありがとうございます。改めて心よりお礼申し上げます。

今春から始まった新たなサービス付き高齢者向け住宅の計画については、この場でも何度かご紹介させて頂きましたが、先日久しぶりに、施主さんとその後について話をする機会がありました。現在、既存の建物に入居されている方々と立ち退き交渉の最中で、融資の為の事業計画書も取引金融機関に提出されたとのことでした。完成予想の平成27年度分整備補助金については、まだ予算化されていないため、実行するか否かの最終決定は来春頃になると思われますが、いずれにしても実現に向けてコマが回り始めた感じです。

現時点の計画では1階が食堂とデイサービスを兼ねた大浴場、多目的相談室と事務所。2階以上が居住スペースで7階建、50室超の規模です。すでに既存の訪問介護利用者さん数名からは、「完成したら俺も世話になるわ!」と、嬉しい言葉を聞かせてもらったりしていますが、とにかく責任重大です。

4年前に開所した「松原のいえ」は、「誰かが居れば安心して住み慣れた場所で暮らせる」というコンセプトを具現化したものですが、利用料が安い分、宿直という形の、スタッフの献身的な労力によって成り立っていることも事実で、かく言う私も週に2回程泊まっています。入居者の自立度が年々低下するのは不可避で、いずれは看取りまでと考えているのですが、そうなれば夜中も介護が必要・・・という事態も避けられないでしょう。

入居者や家族は安心するでしょうが、来る日も来る日も、その「安心」を支えるのは「マンパワー」なんですね。

おそらくこの先も、日本の高齢者は予想通り増え続け、要介護者も増加することは間違いないでしょう。国主導という側面もあって、都市部では今後もサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者の受け皿整備は進むものと予測されます。でも、いくら器があっても、つまるところ支えるのは人です。自分自身のリタイアがいつ頃になるかは想像つきませんが、そのときでも、支えてくださる方々がきちんと集える仕組みであり続けられるよう、より一層智恵を絞らないと・・・と、最近よく考えるようになりました。

大きな山をスプーンで崩していかねばならないような気持ちですが、新しい1年もたゆまず歩もうと思っています。

よい新年をお迎えください。        丸山秀樹

 

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今、おもうこと H25.11

カテゴリ名: 今おもうこと

毎年この時期になると、2カ月綴りカレンダーの残りがなくなったという表現を用いながら、今年という時間の区切りが迫っていることを記してきました。

仕事や家事・育児や親の介護など、人それぞれ立場の違いこそあれ、日々の暮らしは変わらず、おそらく来年も続いていくのでしょう。区切りというよりは振り返りの気分ですが、過ごした時間をちょっと眺めたりするのは、この時期ならではのような気がします。

 

私にとって、今年はかなり激動の1年でした。

 

昨年から介護手間が急に増えた父を見送ったのが2月。ふとしたきっかけからサービス付き高齢者向け住宅の計画が始まったのが3月。7月には事務所立ち退きの話が出て移転先探し。9月にはドクターから認知症対応型デイサービス設立の打診あって企画書作り。

10月には事務所移転・・。

 

さすがに年内はもう大がかりな出来事はないでしょうが、予期せぬことの連続だったなぁと思います。その都度、様々なご縁やスタッフの協力など、絶妙のタイミングで今日までなんとか乗り越えてこられましたが、かかる費用や労力も半端なく、まさに波瀾万丈。

深く記憶に刻まれた1年となることでしょう。

 

新しい事務所はオートロックで空調完備。電話やパソコンのケーブルも目につかないようなシャレた事務所でこの原稿を書いていますが、まさかこんな展開になるとは!

センタービルで迎えた今年の正月には夢にも思っていませんでした。

 

とういうよりは、予期せぬ出来事の連続が、今を生きていることの証しなのかもしれません。うれしいことも悲しいことも楽しいことも大変なことも、すべて命があって生きられる環境があればこそ、そこで初めて感じられることです。

 

歌の文句ではないですが、「来る日も来る日も苦労の連続。楽しいことなど何ひとつない!」っていう人生だって、生きているから感じることなのだろうなとしみじみ思います。

 

街にクリスマスソングが流れ、コートの襟を立てて歩くようになるのも間近。

生きにくい時代・・と言われて久しいですが、連綿と繰り返す日々に続く「明日」は、あるいは予期せぬほど素敵な展開になっているのかもしれません。

 

予期せぬ出来事の連続だった1年の締めくくりには、ひとつ宝くじでも買ってみましょうか? 寒さもこれからが本番です。どうぞお元気でお過ごしください。

今、おもうこと  H25.10

カテゴリ名: 今おもうこと

街のあちこちで金木犀の香りに出会える時期になりましたが、どうにもこの蒸し暑さでは「季節の移り変わりを感じる・・」といった表現がしにくく、日本もいよいよ熱帯気候になりつつあるのかなと感じます。気温の変化に洋服を合わせるのが大変な毎日ですが、皆様お変わりありませんか。

 

もちろん私たちも含めての話ですが、医師やケースワーカー、ケアマネージャー、介護士など独居高齢者の対応をしている専門職はよく、「在宅生活はもう限界・・」という表現を用います。食べられない、出せないなど継続した医療行為が必要な場合は別としても、独居在宅生活の限界を感じさせてしまう要因は多種多様で、支援に入ってくださっている皆様も日常的にいろいろ実感しておられることでしょう。

 

とくに認知症高齢者の場合、同じものを買ってきたり、支払いがうまくできなかったりなど、日常生活での困りごとが発生しはじめ、その限界も間近と感じて、関係者は一生懸命受入施設を探したりします。私たちが運営する高齢者住宅やグループホームも、そんな方々に不安なく過ごしていただくための施設ですが、先日、ある取り組みを知って「ほうっ」と感心ました。

 

「認知症買い物セーフティーネット」というその取り組みは、お店や地域の皆さんに認知症という病気のことを知ってもらい、理解していただくことで、買い物を通して地域の中で認知症の人を見守る支援の輪を作っていく取り組みです。

認知症といえども、まずお元気で足腰も丈夫。長年続けてこられた日常生活動作はしっかりしていて、覚えていたり判断したりすることに少し支援があれば、まだまだ住み慣れた場所で生活できるレベルの人もけっこうたくさん居られます。

 

お店や出かけた先で、知識に基づいた少しの支援があれば、その地域で安心して暮らせるというわけです。一定の研修を受けられた方がいるお店には、こんなステッカーも貼られます。

 

高齢者受入施設の整備は、国を挙げてその増強に取り組み中ですが、地域ごとにそんな支援の輪が広がれば、狭い箱に押し込められて余生を過ごす時間も、もう少し減らせるのかもしれません。実家に帰った折、黄金色に色づいた水田の脇で、嬉しそうに立ち話をしているおばあちゃんたちを見ながら、そんなことを思いました。

秋もいよいよ本番。どうぞお元気でお過ごしください。

今、おもうこと H25.9月

カテゴリ名: 今おもうこと

暑い暑いといっている間に八月も過ぎ九月も半ば近く。まだまだ過ごしにくい毎日ですが、朝夕には涼しい風も吹いて季節のうつろいを感じます。酷暑だった日々の疲れが出やすい時期ですが、皆様お変わりありませんか。

私事、目先の仕事に追われる毎日は相変わらずですが、8日の早朝には東京五輪開催決定のニュースも耳にし、おろおろしている自分より先に、またひとつ新しい時代が回り始めるんだなぁと実感した九月初旬でした。

 

過日、中区のあるドクターから連絡があり、次のような相談をされました。

普段ドクターに対しては、自分の健康状態も含め、こちらから相談をすることがほとんどなので、連絡をもらったときは正直ちょっと驚きました。

認知症専門医でもある先生曰く、「地下鉄に乗って診療に来て、薬も処方して帰す。でもそれ以外の時間は何をどうして生活しているのか、まったくわからない。そもそも診療室に来るときは緊張して一番よい状態で来る。ところが診療室を出たとたんにおかしなことを言い始めて、看護師が報告してくるようなこともある。自宅では薬も服用できていないかもしれない。こんな医療を続けていても、医療費だけ膨らんで国家財政が破たんするだけだ!」

 

概ねそんな内容の話しのあと、「今後も増え続ける認知症患者に対しては、早期発見・進行抑制のための日中活動などを積極的に進めていく必要があり、私も実践例としていくつかの事業を始めているが、住み慣れた場所での生活維持のためには、やはりその地域で支援するのが一番。

そこで、中区においては、君のところでそんな役割を担うつもりはないか?」

 

日頃からこの地域の介護支援ニーズに対しては、積極的に参加してきたつもりですし、皆様の奮闘努力のおかげで、利用者の在宅生活が継続可能となっているケースもたくさんあります。国が進めようとしている地域包括ケアの大命題も、医療・福祉連携となっています。ドクターの目指すところもまさにそこの具現化でしょう。

 

具体的には認知症対応型の通所介護サービスで、日中の生活支援を通じ、病気の進行を抑制するというような仕組みです。ただ一事業所が踏ん張ったところで、どれほどの成果が得られるのか?人材は確保できるのか?収支はどうか?

ことの重大性や意義は充分理解できますし、地域のニーズに対する受け皿として事業所を成長させるための方策としては、おおいに検討に値する話だと思います。

 

まだ結論を出すまでには至っていませんが、しばらく胸を砕く日々が続きそうです。

少しずつ秋の気配も深まり、過ごしやすくなりますね。どうぞお元気でお過ごしください。   丸山榮出樹

今、おもうこと H25.8月

カテゴリ名: 今おもうこと

8月に入って以降、うだるような日々が続いています。

スポーツ選手でさえ練習を休まねばならないような酷暑の中、連日の業務本当にお疲れさまです。毎日飲んでは汗かいて・・の繰り返しですが、皆様おかわりありませんか。

トピックスコーナーでもご紹介しましたように、この秋、菜の花事務所を移転することになりました。7月半ば過ぎに管理事務所より連絡があり、設備の老朽化と耐震強度不足等の理由から、今期契約限りで全戸更新しない旨の説明でした。

平成14年春、1台のファクシミリとコードレス電話で始めた事業所です。お金もないので机や本棚、はては照明器具まで自作という事務室でした。実施記録も、コピー用紙に印刷したものを2枚合わせ、間にカーボン紙を挟んで書く・・という、恐ろしく原始的な方法で作って利用していました。やっていることは今とそう変わりないのですが、思い返せばとても懐かしい気持ちになります。

私自身、介護の仕事についてはまったくの素人でしたし、創業して2年あまりは、家賃や給料支払いのために、ホームページ制作や印刷物デザインの業務を必死でこなしていました。

まだ40代で体力もあったからだと思うのですが、当時は1週間分の着替えを持ち込んで、風呂付のこの事務所に泊まり込んで仕事をしていました。(その風呂場も、今は増え続ける書類の保管庫になっています。)そうこうしているうちに、利用者や登録してくださるヘルパーさん、スタッフが増え、介護事業所として機能するようになったというわけですが、振り返ってみれば、まさに奇跡というよりほか、言葉が見当たりません。

以降、多くの皆様のお力添えで、すでに施設もふたつ運営する事業所となり、さらに新しい施設の計画も着々と進んでいます。

予期していなかったとは言え、12年近い月日が過ぎた今、あらたな事務所に移る機会を与えられた今回の件、もう一度初心にかえって精進しなさい! と天から声をかけてもらっているような気もします。

なにより、自分がいつまでも先頭に立っていられるわけではありませんので、次世代のスタッフが安心して仕事に取り組めるような事業所にしていかないといけませんね。

 

まだしばらく暑い日々が続きそうですが、お体に気をつけてお過ごしください。

 

丸山榮出樹

今おもうこと H25.7月

カテゴリ名: 今おもうこと

線路沿いの公園でセミが鳴き始めました。今年は梅雨入りも早かったですが、
明けも例年より早く、この先しばらくは強い太陽の陽射しと向き合わなければなりません。
夏本番。汗と紫外線対策で、毎日のケアは普段にも増して大変ですが、皆様お変わりありませんか。

インターネット配信のおかげで、事務所に居ながらにして介護関連のニュースを読むことができますが、そんなニュースのひとコマ。内閣府の調査(昨年秋)では、今後自分が認知症になる可能性について、55歳以上男女の34.9%がまったく感じていないそうです。

調査は全国の男女3千人を対象に実施されたもので、認知症になる可能性については、「まったく感じない」に続き、「まれに感じる」28.3%、「ときどき感じる」25.3%、「いつも感じる」は5.7%とのことでした。

また最後を迎えたい場所についての質問では、「自宅」が54.6%で一番多く、「病院などの医療施設」27.7%、「特別養護老人ホームなどの福祉施設」4.5%と続き、整備が急速に進んでいる「高齢者向きケア付き住宅」は4.1%だったそうです。

大半の人は認知症にもならず自宅で最期まで暮らせる・・と想像しているってことですね。(日本の超高齢社会の未来が本当にそうなるとよいのですが。)

かくいう私も先月55歳となりましたが、目先の雑事に追われるばかりで、落ち着いて老後を考えるなど夢のまた夢。「死ぬまで働く!」を口実にして、かなり楽観的に生活しています。

 

現在契約している利用者さんの中でも、要支援の認定を受けながら、コツコツと長年続けてきた仕事を継続されている方や、趣味に打ち込んでおられる方など、生涯現役だなぁって感動させられるケースもけっこう多いです。誰しもいつまでも元気で過ごしたいと願っているでしょうし、できれば認知症などの病気にはなりたくないと思っている筈ですが、一説によれば認知症と診断される人の数は増加の一途だとか・・・。

先のことは誰にもわかりませんし、起きてもいないことを心配するより、今日1日を笑って楽しく過ごすことに力を注ぐべきだと、この頃すごく感じています。

 

夏の太陽は容赦なく照りつけますが、それもこの季節ならではのもの。

ポジティブシンキングでこの夏を乗り切りたいと思っています。どうぞお元気でお過ごしください。                  丸山榮出樹