暑い暑いといっている間に八月も過ぎ九月も半ば近く。まだまだ過ごしにくい毎日ですが、朝夕には涼しい風も吹いて季節のうつろいを感じます。酷暑だった日々の疲れが出やすい時期ですが、皆様お変わりありませんか。
私事、目先の仕事に追われる毎日は相変わらずですが、8日の早朝には東京五輪開催決定のニュースも耳にし、おろおろしている自分より先に、またひとつ新しい時代が回り始めるんだなぁと実感した九月初旬でした。
過日、中区のあるドクターから連絡があり、次のような相談をされました。
普段ドクターに対しては、自分の健康状態も含め、こちらから相談をすることがほとんどなので、連絡をもらったときは正直ちょっと驚きました。
認知症専門医でもある先生曰く、「地下鉄に乗って診療に来て、薬も処方して帰す。でもそれ以外の時間は何をどうして生活しているのか、まったくわからない。そもそも診療室に来るときは緊張して一番よい状態で来る。ところが診療室を出たとたんにおかしなことを言い始めて、看護師が報告してくるようなこともある。自宅では薬も服用できていないかもしれない。こんな医療を続けていても、医療費だけ膨らんで国家財政が破たんするだけだ!」
概ねそんな内容の話しのあと、「今後も増え続ける認知症患者に対しては、早期発見・進行抑制のための日中活動などを積極的に進めていく必要があり、私も実践例としていくつかの事業を始めているが、住み慣れた場所での生活維持のためには、やはりその地域で支援するのが一番。
そこで、中区においては、君のところでそんな役割を担うつもりはないか?」
日頃からこの地域の介護支援ニーズに対しては、積極的に参加してきたつもりですし、皆様の奮闘努力のおかげで、利用者の在宅生活が継続可能となっているケースもたくさんあります。国が進めようとしている地域包括ケアの大命題も、医療・福祉連携となっています。ドクターの目指すところもまさにそこの具現化でしょう。
具体的には認知症対応型の通所介護サービスで、日中の生活支援を通じ、病気の進行を抑制するというような仕組みです。ただ一事業所が踏ん張ったところで、どれほどの成果が得られるのか?人材は確保できるのか?収支はどうか?
ことの重大性や意義は充分理解できますし、地域のニーズに対する受け皿として事業所を成長させるための方策としては、おおいに検討に値する話だと思います。
まだ結論を出すまでには至っていませんが、しばらく胸を砕く日々が続きそうです。
少しずつ秋の気配も深まり、過ごしやすくなりますね。どうぞお元気でお過ごしください。 丸山榮出樹