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正木の家11月

カテゴリ名: 正木の家

★おとうさんははたらきもの!

正木の家のKさん。
やっぱりお父さんだけあって一番の働き者です。
洗濯干しやたたみ、掃除機掛け。ベランダの掃き掃除からもやしのヒゲ取りまで。
気分にムラがある為、毎日とはいきませんが、いい時にはとても丁寧に根気強くやってくれます。

洗濯たたみでは1枚のバスタオルを何十分もかけ、丁寧にしわを伸ばしたたんでくれますし、
ベランダの掃き掃除では40分近くかけて隅から隅まできれいに掃いてくれる事もあります。

一つ一つの仕事がとても丁寧で、頭が下がります。
認知症は進行性の病気で、進行するに従い出来なくなっていく事も増えます。
それと共に、年齢によるADLの低下も重なり、入所当初は洗濯たたみや食器拭きをされていた方も、
次第に出来なくなってしまいます。
しかし、Kさんは正木の家に入所し早6年、変わらず正木の家でのお仕事に精をだしてくれています。
人により進行度合いに違いはありますが、やはり継続してきた事も大きな要因なのでしょう。

継続することは本当に難しく、入居者様ではなく職員がついつい「もう出来ないよね」
と諦めてしまいそうになることがあります。

しかし、日を変えたら出来た、時間はすごくかかってしまうけど出来た、そんな事もたくさんあります。
職員が出来ることを出来なくしてしまっては元も子もありません。
諦めずにお願いして、お父さんにはまだまだ頑張ってもらおうと思います。

あすか

今おもうこと10月

カテゴリ名: 今おもうこと

消費税が上がりました。

百円の買い物だと2円の負担増なので、すごく増えたような気はしないのですが、
洋服や車など、金額の大きな買い物の場合、価格の1割が税金・・ということになるわけで、
その負担感たるや甚大。

これまでもそうですが、家賃や事務用品の消費税増税に見合う料率で介護報酬も
若干増額されますので、事業所としてはありがたいことですが、消費の個人レベルでは
負担が増えるばかりです。

国民ひとりひとり、これから生きていくのに必要な費用の1割を税として収め続けるわけで、
それならもっと有効に使ってくれよ!と強く思います。

それとも1割分を節約する目的で、たとえば庭やベランダで野菜を作るとか、
服を自分で作るとか。少し時代を巻き戻したような生活で防衛するってのもアリですかね。

上着選びに悩む日はまだしばらく続きそうですが、どうぞお元気でお過ごしください。            

丸山秀樹

正木の家10月

カテゴリ名: 正木の家

★最後のことばは?

現在、名古屋と豊田で開催されている愛知トリエンナーレに「10分遺言」
という作品が展示されています。

人生の最後に、誰かに言葉を残すとしたら何を書くかをインターネットで募集し、
24枚のモニターに次々と映し出されていく作品です。

何枚も何枚も映し出されていく遺言を読んでいて感じたことは、怒りや恐怖、後悔の言葉は
ひとつも書かれていないこと。
むしろどの遺言にも感謝の思いと残された人を励まし応援する言葉で溢れていました。

死を受け入れるとはこういうことか。自分よりも他者。究極の思いやりだな。
大量の遺言を読みながらそんなことを考えていました。

正木の家も開所してから10人の方の最後を見送ってきました。
最後のお顔は皆さま本当に穏やかでした。
皆様の心の中の遺言も、きっと感謝と励ましの言葉で溢れていたことでしょう。

あすか

正木の家9月

カテゴリ名: 正木の家

★今年もやったぜ!

先月、正木の家の夏祭りを開催しました。
今年はおなじみのメニューに加え、たこ焼きと月壱屋アニキの特製海苔巻きも。
ご家族、地域の方にも大変喜んで頂けました。

さて、正木の家の入居者様はというと…
前日からお祭りが楽しみすぎて眠れなかったり、浴衣を着てもらおうとすると、
「私のじゃありません!!」と怒り出し、でも着たら着たでご機嫌だったり。

人の多さに混乱し、ソワソワ落ち着かずハッピと豆絞り姿で散歩に出かけたり、
たこ焼きやら焼きそばやらフランクやら、無心で食べ続けお腹をこわしてしまったり。
色々ありましたが、皆様ご家族と一緒の時間を楽しんでおられました。

正木の家の夏祭りも今年で8回目。
毎年ご家族や地域の方々からとても有難いお言葉を頂きます。
入居者様の笑顔、ご家族からのお言葉、地域の方々とのつながり、これらが私たちの原動力です。

それを実感できる夏祭りでした。この原動力を糧に正木の家はこれからも動き続けます。

あすか

今おもうこと9月

カテゴリ名: 今おもうこと

竹内まりやの歌う「人生の扉」は、彼女が人生の折り返し点を過ぎて書いた曲。
ほぼ同世代としてすごく共感します。

毎日、命のとなりで仕事をしていると言えば大げさかもしれませんが、
それでも年に何度か、利用者の訃報を聞くたびに今年の桜や山の紅葉が、
その方にとっては最後だったんだと痛感します。

今、見えてる風景や口にする美味しい食べ物も、ひょっとするとこれが我が人生
最後かもしれない・・と考えれば、文句を並べたり横柄な態度はとれませんよね。

残暑はまだまだ続きそうですが、味覚の秋もすぐそこまで来ています。
秋刀魚の値段も気になりますが、どうぞお元気でお過ごしください。

丸山秀樹

ハイ!こちら菜の花訪問部

カテゴリ名: ハイ!こちら菜の花訪問介護部

訪問介護の持ち物。
冬は手袋やマフラーなど、やたらと荷物が多いけれど、
夏だってどうしてどうして。なんだかんだと多くなります。

特に自転車を駆使する身としては、帽子、サングラス、アームカバーは三種の神器。
さらに、500ミリのマグボトル。ペットボトルよりやっぱりサーモスが冷たさ長持ち。
でも途中で飲み物を買い足すこともあるので、ペットボトルカバーも持ってます。

歩く可能性があるときは折りたたみの日傘。信号待ちの間にもすぐ取り出せる
場所には虫よけスプレー。その他にも、風にあたるとヒヤッとするタオルとか、
サラッと汗拭き用のナニかとか、折りたたみの扇子とか・・・
(ここまで書いて気がついたけど、意外と日焼け止めは持ち歩い
ていない私でした)

夏の必携グッズ、おすすめがあったら教えてくださいね!

正木の家8月

カテゴリ名: 正木の家

★ちゃんとみていますか?

正木小学校の盆踊りの日、入居者N様が発作で救急搬送されました。
日中はいつもとお変わりなく、夕食もしっかり完食されていたのですが、
夕食後の口腔ケア時に左半身の痙攣が始まり、時間を追うごとに痙攣はひどくなり、
発汗、発熱もあった為、救急搬送となりました。

病院で点滴、CT検査で脳に異常はなく、痙攣も収まった為、その日に帰所となりました。
もともとてんかん発作を持っておられ、何度か救急搬送や入院をしておられました。

特に夏に発作が起こることが多く、脱水にならないよう水分摂取には気を付けていたつもりでした。
毎食のお茶は必ず飲んでもらうようにしており、それに加え10時、15時、入浴後の水分補給も行っています。

しかしこの日は、状態からみても、脱水状態だったのだと思います。
これだけ飲んでいるから大丈夫だろう、この決めつけが間違っていたのだと思います。
その日によって気温も違う、入居者様の状態も違う、決まった事さえやっていれば大丈夫
なんてことはないのです。

その日の入居者様、その時のご様子をしっかり観察するべきでした。
その日のN様をしっかり見ていれば防げた発作かもしれません。

観察、観察。もっと観察力を養おうと思いました。
盆踊り楽しみにしていたのに。行かせてあげたかったなー。

あすか

今おもうこと7月

カテゴリ名: 今おもうこと

令和元年と位置付けられた今年も、すでに折り返しをすぎました。

年々加速しているような月日経過のスピードにたじろぐばかりの毎日ですが、
それでも合間を縫ってときどき釣りに出たりできるのは、平和な国に暮らせている
ことの証なのかナ・・と。

参院選を間近に控え、この国はどこに向かっているのか?
舵とりを託せる人は誰なのか、社会の一員として向き合わねばならない筈なのに、
考える余裕さえ与えないような時の変化に翻弄され続けていないでしょうか。

社会の仕組みとなった介護という業も、続く時代を支えてくれる人があればこそ。
立ち止まって考えないといけませんね。

暑い季節を迎えますが、どうぞお元気でお過ごしください。

丸山秀樹

正木の家7月

カテゴリ名: 正木の家

★まだまだしゃべる! たべる!(正木の家)

正木の家では毎日、入居者様の大きな声がひびきわたっています。
正木の家らしいというか、菜の花らしいというか・・。

悪く言えば騒がしい、よく言えば明るい、そんな雰囲気でしょうか。
なかでも90代のお二人は、誰にもおとらず大声で、さらによくしゃべる。

高齢になるにつれ、声帯はやせて支える筋力もおちてくるそうですが、
そんなことはまったく感じられません。
そしてそんなお二人は嚥下の力も高いのです。ミキサー食やきざみ食ですが、
飲み込みはばっちり。声を出す嚥下訓練があるように、食べるちから、飲み込むちからは、
声を出すことで維持されているのでしょう。

なによりちゃんと食べていることが一番大切なのかもしれません。
94歳と99歳のお二人、大きな声が出ているうちはまだまだお元気。
大いにしゃべり、大いに笑い、大いに食べて百歳突破を目指してほしいです。     

あすか

正木の家6月

カテゴリ名: 正木の家

★変わらないことを大切に

先月、新しい入居者K様が入所されました。
29年の12月から入所を希望されていて、ようやく正木の家に入所となりました。

利用申し込みに来られた時のK様はまだ要介護2。
ご自分で歩いておられ、耳は遠いもののしっかり受け答えもできていました。

施設内のご案内をしている時、隣にいた私の手をそっと握り、にっこり微笑んでくれたのをよく覚えています。
1年半ぶりに会ったK様はどこか遠い目をして車椅子に座っておられ、表情も乏しく、
受け答えもほぼ出来ない状態でした。

1年半でこんなに変わってしまうものかと、認知症の怖さを改めて実感しました。

しかし変わっていないところもありました。
時折見せてくれる笑顔の可愛らしさは1年半前、初めてお会いした時と変わっていません。
職員の顔をしっかり見て、こちらが向ける笑顔に笑顔で返してくれます。
介助をすると必ずと言っていい程「ありがとう」と、言葉をかけてくれます。

そんなK様に職員の方が癒され、元気をもらっています。

認知症の進行とともに変わってしまったところもたくさんあるでしょう。
しかし、 K様の根源的な部分は変わっていないのだろうと感じます。
入居者様のご家族やお友達から「認知症になって変わってしまった」と言われる事があります。
ついつい変わってしまった事にばかり目がいってしまうのでしょう。
しかし変わらない部分は必ずあります。変わらない部分こそ、大切にしていくべきところなのだと、私は思います。
K様の変わらない笑顔、正木の家でも大切にしていきたいと思います。      

あすか