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今おもうこと H26.1

カテゴリ名: 今おもうこと

新しい年が始まりました。例年のことですが、元旦からお仕事を引き受けてくださった方々には、改めてお礼申し上げます。暦の上ではまもなく大寒。寒さも一段と厳しくなりますが、本年も変わらずご活躍くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

私の元旦は松原の泊まり明けでしたが、ちょっとは正月らしくしようと思い、入居者の皆様とお屠蘇で新年を祝いました。自身のことで恥入りますが、毎年少しずつ旧年と新年の区別がつきにくくなり、歳と共に感性や情緒が鈍化しているのかなぁと顧みたりします。正月三ヶ日ぐらいでしたか、お店もデパートもしまっていて、せっかくもらったお年玉を使う場所もなく、家でカルタをめくったり凧揚げをしたりしたのは、もうずいぶん昔の話になってしまいました。当時、お店がしまっていたせいもありますが、年末からお正月にかけての気分の変化や高揚は絶大で、子どもながらに「今年はぜったい○○するぞ!」みたいな決意を新たにしたものでした。ひるがえって昨今、元旦でも食料品や日用雑貨を買うのに苦労することは皆無となり、普段同様の生活ができます。自身の感性が鈍化してしまったこととは無関係かもしれませんが、暮らしの中に年越しとかお正月といった風情が少なくなってしまったのは事実だろうと思います。

今の事業を始めてみて実感したことですが、地下鉄やバスの運行、ホテルや旅館も同様、介護という仕事に盆や正月がないのは事実です。ましてや医療機関など、人命に関わる仕事に携わっている方々にとっては、元旦と普段の日に差があってはいけないわけで、何やら一員としての責任の重さを感じたりもします 。超高齢化社会と言われて久しいですが、この先、日本の人口構成も変化し続け、およそ4割の人が 75歳以上となることを予測しています。当然のことながら、医療や介護を要する人も増え続けるわけですが、正月返上でそこに対峙してくださる人がいったいどれほど必要となるのか??。正月に限らず、少し手を止めて、自分の来た道や行く末をじっくり眺めたりするのはとても素敵なことだと思います。新たな1年を迎える節目を、そうやって心静かに過ごせるなら尚ありがたいですが、仕事で少し後回しになったとしても、営業している店や地下鉄同様、今の時代は仕方がないのかもしれませんね。

なにはともあれ、新たな年。今年も1年どうぞお元気でお過ごしください。

丸山秀樹

正木のいえ  H25.12

カテゴリ名: 正木の家

正木公園の銀杏や桜の木の紅葉がとてもきれいでした。散歩に出かけたとき、入居者様も「わぁ!!」と感嘆の声を上げられました。
色づいた葉もいつしか木枯らしに吹き飛ばされ、冷たい風が身にしみる季節となりました。
「正木の家」開所から約2年になろうとしています。早く満床にしなければ・・・との気負いが先だった1年目。入居者様のため・・・と言い続けてきた2年目。
ここにきて働きやすい職場環境について、ある職員から進言をされました。
言われた時は「えー!私、こんなに頑張ってきたのにー」って、正直ショックでした。しかし、冷静に考えると、多くの職員が居なければ正木の家は成り立たないことにも気づきました。
偶然ですが、書店で「こわせない壁はない」という本を手に取りました。
私は「介護とはこうあるべき。こうしなさい」と書いた壁を、自分の背中に建てていたように思いました。入居者に対する私の関わり方と、他の職員の関わり方は違って当たり前なのです。年齢も違うし、声のトーンも違う、考え方も違うんだから・・・。
なぜ分からなかったのでしょうか。
常識や思い込みにとらわれていた自分、過去やその場の空気に縛られていた自分がいました。
本の中に書いてありました。
「自分の中にすき間を開けてみよう」「何もない空白、余白は、心の余裕、包容力、創造力といった可能性をもっている」「すき間は発想を転換させる」
これからは、すき間時間を見つけ、心に余裕のある熟女になりたいと思います。  (赤)

Unknown

ヘルパーのつぶやき  H25.12

カテゴリ名: 今おもうこと

お世話になっている福祉用具の会社の方が、介護用ロボットスーツの試作品を持ってきてくださいました。それを身につけると、少しの力で相手のからだを持ち上げたり、移乗したりができるというものだそうで、試着もさせていただきました。

将来的には着た人の呼吸の強さで操作することになるそうですが、この日は横でボタンを押してもらってのお試しです。せぇの~、で操作をしてもらうと、腰を誰かにうしろから持ち上げてもらっているような、同時に太もも部分もサポートされているような感じ。

たしかに、これが普通に使いこなせるようになれば、腰痛防止の強い味方になりそうです。

ロボットといえば、数年前、自動尿取りロボットをいちはやく使われたご家庭がありましたが、あと始末がけっこう大変で、何よりも使われたご本人の拒否が強く、すぐにやめてしまったことがありました。そりゃイヤですよね、オムツの中で機械が動いてオシッコが吸われるなんて。

私たちが後期高齢者になるころの、近未来の介護業界はどうなっているのでしょう。みんなが幸せになれるロボットが完成しているといいですね。   (玉)

今おもうこと  H25.12

カテゴリ名: 今おもうこと

朝晩の冷え込みも厳しくなり、年の瀬間近!と実感する時期になりました。何かと気忙しい毎日ですがお変わりありませんか。
今年も皆様のお力添えで、大きな事故なく1年の終わりを迎えられそうです。ありがとうございます。改めて心よりお礼申し上げます。

今春から始まった新たなサービス付き高齢者向け住宅の計画については、この場でも何度かご紹介させて頂きましたが、先日久しぶりに、施主さんとその後について話をする機会がありました。現在、既存の建物に入居されている方々と立ち退き交渉の最中で、融資の為の事業計画書も取引金融機関に提出されたとのことでした。完成予想の平成27年度分整備補助金については、まだ予算化されていないため、実行するか否かの最終決定は来春頃になると思われますが、いずれにしても実現に向けてコマが回り始めた感じです。

現時点の計画では1階が食堂とデイサービスを兼ねた大浴場、多目的相談室と事務所。2階以上が居住スペースで7階建、50室超の規模です。すでに既存の訪問介護利用者さん数名からは、「完成したら俺も世話になるわ!」と、嬉しい言葉を聞かせてもらったりしていますが、とにかく責任重大です。

4年前に開所した「松原のいえ」は、「誰かが居れば安心して住み慣れた場所で暮らせる」というコンセプトを具現化したものですが、利用料が安い分、宿直という形の、スタッフの献身的な労力によって成り立っていることも事実で、かく言う私も週に2回程泊まっています。入居者の自立度が年々低下するのは不可避で、いずれは看取りまでと考えているのですが、そうなれば夜中も介護が必要・・・という事態も避けられないでしょう。

入居者や家族は安心するでしょうが、来る日も来る日も、その「安心」を支えるのは「マンパワー」なんですね。

おそらくこの先も、日本の高齢者は予想通り増え続け、要介護者も増加することは間違いないでしょう。国主導という側面もあって、都市部では今後もサービス付き高齢者向け住宅など、高齢者の受け皿整備は進むものと予測されます。でも、いくら器があっても、つまるところ支えるのは人です。自分自身のリタイアがいつ頃になるかは想像つきませんが、そのときでも、支えてくださる方々がきちんと集える仕組みであり続けられるよう、より一層智恵を絞らないと・・・と、最近よく考えるようになりました。

大きな山をスプーンで崩していかねばならないような気持ちですが、新しい1年もたゆまず歩もうと思っています。

よい新年をお迎えください。        丸山秀樹

 

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ヘルパーのつぶやき H25.11

カテゴリ名: 未分類

新しい事務所に移転して、一ヶ月が過ぎました。最初の数日はインタフォンの調子が悪く、「ピンポーン」と鳴るたびに全員がビクビク、ドアロックがうまく解除できず、結局1階まで走って開けに行く始末。

前の事務所があまりにも庶民的(というか普通の家?)だったので、来る人来る人に「事務所らしくなりましたね」「会社ですね〜」と感心されています。

新しいオフィスに慣れるにつれ、前にいたセンタービルのことは忘れがちですが、それでも夕暮れ時に前を通ると、なつかしくて胸がキュンとします。

窓のあかりはだんだん少なくなりましたが、まだ40世帯近く住んでおられるそうです。

「菜の花さんが引っ越してから、さみしくなっちゃった」と顔見知りの住人さんに言われるたびに、ますます「この地域で役に立つ会社」にならなくちゃなぁと感じています。 (玉)

正木の家 H25.11

カテゴリ名: 正木の家

正木の家の植え込み、金木犀。今年は咲かないのかな?と思っていました。

遠い昔、10月10日の体育の日の頃かなぁ。登下校時はこの香りで優しい気持ちになれたことを思い出します。そんなこと思いつつ、植え込みの横からS様がおられる居室を見上げました。

 

S様は9月下旬から体調を崩され居室で静養される時間が多くなりました。食事量が減り、元気がなくなってきたS様、1日500ccの点滴が日課となりました。

K先生は「病院だと1日1500ccの点滴を打つでしょうが、ご本人にとってはつらい状態をつくってしまうことになる。止めておきましょう。」

点滴を受けている間はご家族様が付き添い、手を握っていてくださいました。

時折、目を開けられますが、いつも枕元に長男様や次男様がおられ、どんなに安心された事でしょう。

すごいな・・と思ったのは、体力が落ち、起き上がることも難儀な状況でも「起きます!」とポータブルトイレに座ろうとされたことでした。ご本人にとって大変だからと「オムツをつけていいですか?」とお声かけをし、つけさせていただいたときのお顔は忘れることはできません。S様の尊厳を無視した情けない対応と反省しています。10月22日 金木犀の木に花はつきましたが香ってはきませんでした。

 

10月23日 正木の家に近づくと、あの何とも言えない優しい香りがあたりに漂っていました。嫌です! だめです! ・・・その日の12時59分、お嫁様に見守られながら息を引きとられました。

 

いつでも、誰にでも、優しい笑顔を向けてくださったS様、ありがとうございました。

これからは空から優しい笑顔で見守っていてくださいね。(赤)

今、おもうこと H25.11

カテゴリ名: 今おもうこと

毎年この時期になると、2カ月綴りカレンダーの残りがなくなったという表現を用いながら、今年という時間の区切りが迫っていることを記してきました。

仕事や家事・育児や親の介護など、人それぞれ立場の違いこそあれ、日々の暮らしは変わらず、おそらく来年も続いていくのでしょう。区切りというよりは振り返りの気分ですが、過ごした時間をちょっと眺めたりするのは、この時期ならではのような気がします。

 

私にとって、今年はかなり激動の1年でした。

 

昨年から介護手間が急に増えた父を見送ったのが2月。ふとしたきっかけからサービス付き高齢者向け住宅の計画が始まったのが3月。7月には事務所立ち退きの話が出て移転先探し。9月にはドクターから認知症対応型デイサービス設立の打診あって企画書作り。

10月には事務所移転・・。

 

さすがに年内はもう大がかりな出来事はないでしょうが、予期せぬことの連続だったなぁと思います。その都度、様々なご縁やスタッフの協力など、絶妙のタイミングで今日までなんとか乗り越えてこられましたが、かかる費用や労力も半端なく、まさに波瀾万丈。

深く記憶に刻まれた1年となることでしょう。

 

新しい事務所はオートロックで空調完備。電話やパソコンのケーブルも目につかないようなシャレた事務所でこの原稿を書いていますが、まさかこんな展開になるとは!

センタービルで迎えた今年の正月には夢にも思っていませんでした。

 

とういうよりは、予期せぬ出来事の連続が、今を生きていることの証しなのかもしれません。うれしいことも悲しいことも楽しいことも大変なことも、すべて命があって生きられる環境があればこそ、そこで初めて感じられることです。

 

歌の文句ではないですが、「来る日も来る日も苦労の連続。楽しいことなど何ひとつない!」っていう人生だって、生きているから感じることなのだろうなとしみじみ思います。

 

街にクリスマスソングが流れ、コートの襟を立てて歩くようになるのも間近。

生きにくい時代・・と言われて久しいですが、連綿と繰り返す日々に続く「明日」は、あるいは予期せぬほど素敵な展開になっているのかもしれません。

 

予期せぬ出来事の連続だった1年の締めくくりには、ひとつ宝くじでも買ってみましょうか? 寒さもこれからが本番です。どうぞお元気でお過ごしください。

正木の家 H25.10

カテゴリ名: 正木の家

10/3〜4と岩手県盛岡へ行かせていただきました。3日は東日本大震災で被災された陸前高田市と大船渡市の視察。

あの日、テレビでみた黒い波が地を這うように破壊していったのがこの土地なんだと実感。風化させてはいけないと「語り部さん」が案内してくださいました。

「避難場所となっていた市役所は津波に流され、多くの人の命を奪っていった・・」

「海岸から近い道路に面した道の駅では、一番高い所に逃げた方、3人だけが助かった・・」

「陸前高田は海岸沿いに7万本の松があり、今まで幾多の災害を防いでくれたが、今回の津波では1本の松を残しすべて流されてしまった。その松は『奇跡の1本松』として復興のシンボルになっています。」

「震災から2年半経った今、平坦だった地が5メートルかさ上げされたり、行きかうトラックを見ると復興は進んでいるようだが、私たちの心はまだガレキと一緒です。」

復興のため頑張っている建設業者が東京オリンピックへと行ってしまうのではないかとの懸念も話されていました。

4日は全国グループホーム大会。テーマは「認知症のグループホームに学ぶ人間の物語」

基調講演のあと、2名の方の事例発表がありました。1例目は戦争体験者と向き合う中で、若いスタッフは兵士となり帰宅するスタッフは出征兵士として見送られた。

2例目の発表者は親族3人の方が自死で命を閉じられた看護師さんの事例でした。ご本人にとって死との対峙は、震災により呼び戻されたようです。2例とも、「その方に向き合う」ことの大切さを伝えていました。向き合うって?

その方の人生を受け入れ、その方とつながるってことかな。その方の心に湧く世界を包み込んで、関係性を育んでいくと見えてくるのでしょうか。正木の家も開所後1年半です。入居者の皆さんと向き合いながら、泣いたり、笑ったりの生活を積み重ねていくことで、目指す「大家族の正木さんち」になれるのかな。

ヘルパーのつぶやき H25.10

カテゴリ名: 未分類

事務所の引越しにともない、先日、ひと足先に神棚がお引越しをしました。

お札は毎年伊勢神宮でいただいています。神棚は、新しい事務所にあわせて少し大きなものを社長がオーダー。こんどの神棚は屋根つきで、ちょっぴり本格的です。

まだ机も棚もない広々とした事務所の一隅にヒノキの香りが漂います。その場に居合わせた社員でそろって柏手を打つと、ふだん信仰心のない私も、気持ちがひきしまるのを感じました。

この日は伊勢神宮(内宮)の遷御の日でもありました。偶然同じ日になったことに気づいたときは、うれしいような、おそれ多いような・・・。

菜の花の20年後はどうなっているのでしょうか。

今 20代、30代のひとたちがリーダーとしてのびのびと働ける職場になっていますように、新しい神棚に手を合わせました。

今、おもうこと  H25.10

カテゴリ名: 今おもうこと

街のあちこちで金木犀の香りに出会える時期になりましたが、どうにもこの蒸し暑さでは「季節の移り変わりを感じる・・」といった表現がしにくく、日本もいよいよ熱帯気候になりつつあるのかなと感じます。気温の変化に洋服を合わせるのが大変な毎日ですが、皆様お変わりありませんか。

 

もちろん私たちも含めての話ですが、医師やケースワーカー、ケアマネージャー、介護士など独居高齢者の対応をしている専門職はよく、「在宅生活はもう限界・・」という表現を用います。食べられない、出せないなど継続した医療行為が必要な場合は別としても、独居在宅生活の限界を感じさせてしまう要因は多種多様で、支援に入ってくださっている皆様も日常的にいろいろ実感しておられることでしょう。

 

とくに認知症高齢者の場合、同じものを買ってきたり、支払いがうまくできなかったりなど、日常生活での困りごとが発生しはじめ、その限界も間近と感じて、関係者は一生懸命受入施設を探したりします。私たちが運営する高齢者住宅やグループホームも、そんな方々に不安なく過ごしていただくための施設ですが、先日、ある取り組みを知って「ほうっ」と感心ました。

 

「認知症買い物セーフティーネット」というその取り組みは、お店や地域の皆さんに認知症という病気のことを知ってもらい、理解していただくことで、買い物を通して地域の中で認知症の人を見守る支援の輪を作っていく取り組みです。

認知症といえども、まずお元気で足腰も丈夫。長年続けてこられた日常生活動作はしっかりしていて、覚えていたり判断したりすることに少し支援があれば、まだまだ住み慣れた場所で生活できるレベルの人もけっこうたくさん居られます。

 

お店や出かけた先で、知識に基づいた少しの支援があれば、その地域で安心して暮らせるというわけです。一定の研修を受けられた方がいるお店には、こんなステッカーも貼られます。

 

高齢者受入施設の整備は、国を挙げてその増強に取り組み中ですが、地域ごとにそんな支援の輪が広がれば、狭い箱に押し込められて余生を過ごす時間も、もう少し減らせるのかもしれません。実家に帰った折、黄金色に色づいた水田の脇で、嬉しそうに立ち話をしているおばあちゃんたちを見ながら、そんなことを思いました。

秋もいよいよ本番。どうぞお元気でお過ごしください。