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カテゴリー別アーカイブ: 正木の家

正木の家11月

カテゴリ名: 正木の家

11月7日(木)毎年恒例の秋の遠足に出掛けました。今年は「セントレアに飛行機を見に行こう!」です。

いつもの観光バスに揺られ30分。 H様、まさかの車酔いというトラブルもありながらも無事到着。

着いたらまずは腹ごしらえ。セントレアのフードコートへ向かいます。毎年カレーが一番人気ですが、今年は海鮮丼が人気です。皆様一人前をペロリと平らげ、 W様はおしぼりまで平らげようとする始末。みんなおなか一杯でまったりしているところに、医務室で休んでいたH様が無事帰還しました。

帰ってくるやいなや、バスで散々吐いていたとは思えぬ食欲で、海鮮丼をすごい勢いで口に運んでいました。元気になって何よりです。

その後はスカイデッキで飛行機を観たり、家族にお土産を買ったりとで、第1ターミナルを満喫。

さてお次はフライト・オブ・ドリームズに移動です。到着して1階に降りると、圧巻のボーイング787がお出迎えです。飛行機をバックに記念写真だ!と、みんなで準備をしていると、「あれ?社長いないよ」と。

社長、飛行機の周り徘徊です。一人でフラフラしている姿を見つけ、そしてみんなに怒られる。社長らしからぬそんな所がうちの社長のいいところ。ってなわけで無事全員の集合写真を撮ることができました。

その後はいつものおやつタイムを満喫しバスにて帰所。帰り道、私は爆睡だった為、バスでの出来事はちょっとわかりませんが、 W様が爆睡していた事だけは、バッチリ写真に残っていました。そんなこんなの今年の遠足。

H様の車酔い、社長の徘徊・・とトラブルはありながらも、セントレアを大満喫することができました。来年はどんなトラブルが!?乞うご期待!

あすか

正木の家10月

カテゴリ名: 正木の家

9月はしょっぱなからコロナ騒動勃発です。入居者様6名、職員4名がコロナに感染。1名感染後、あれよあれよという間に感染が広がってしまいました。入居者Kさんに関しては入院、他の5名の方は重症化することなく5日間の隔離後、いつもの生活に戻ることができました。

Kさんはというと、コロナの症状はすぐに落ち着き、食事を開始したものの、拒否する日が続いているようでした。2口3口、口に入れるとその後口を一文字に閉じ、首を振ってしまうようです。正木でも時々やっていた「食べたくない」の意思表示です。そんなこんなで食事も止められ、中心静脈栄養に切り替わりました。その後もSTさんが入ってくたりしていたようですが、あいかわらず拒否の毎日。

職員さんも日替わりで、プリンやら水羊羹やらを持って訪問してくれたのですが、傾眠が強かったり、首を振るばかりで食べてもらえません。結局、食事が摂れない状態では、グループホームへの帰所は難しく、退所というかたちになってしまいました。正木の家に来て十年、最初は帰宅願望がひどく、暴力行為もありました。それでも職員や外部の人など、会う人、会う人の心を掴むKさん。みんな、お父さんことKさんが大好きでした。最後の時まで正木の家で過ごしてほしかった。最後を看取らせてもらいたかった。それが正直な気持ちです。残念な気持ちやら、どうにも悔しい気持ちが残ります。

でも本当は、お父さんが幸せに、楽しく過ごせるのなら正木の家でなくてもいいのでしょう。会いたくなったら会いに行けばいい。私たちが唯一、お父さんに出来ることは、残りの日々を楽しくハッピーに過ごしてもらえるよう願うことなのでしょう。これからもお父さんに、ハッピーな日々が待っていますように。また会いに行くからね。

あすか

正木の家9月

カテゴリ名: 正木の家

八月、正木の家夏祭りが開催されました。毎年地域の方をご招待し開催している夏祭り。今年はたくさんの子ども達が遊びに来てくれ、会場がごった返すほどの大盛況っぷりでした。

入居者様も浴衣で着飾り、お祭りに参加。ご家族と一緒に、たこ焼きやフランクフルト、カレーなどを頬張っておられました。松原の家のM様も参加され、「美味しいよ!コクがある!」と言いながら、とっても沢山召し上がっておられました。帰る際も嬉しそうにみんなと握手。いつもの選挙活動をして帰って行かれました。

入居者様、ご家族、松原の入居者様、地域の子ども達から高齢者の方々、皆様が正木の家に集まり、楽しそうに交流している姿を見て、「これこれ!これを望んでいたんだよ!」と、嬉しくなりました。

開所して13年。始めの夏祭りはなかなか地域の方も来て下さらず、通りすがりの子どもに声を掛けても怪訝な顔をされる、そんなスタートでした。地域の行事に参加したり、月壱屋を始めたり、子ども食堂をスタートさせたりと、少しずつ地域の方との交流が増え、今に至っています。いつまでもこれが途絶える事のないよう、そしてますます入居者様にとっても、地域の方々にとっても、正木の家がより良い場所になれるよう精進あるのみです。

今年の夏祭りを終え、正木の家の職員さんが反省点や来年に向けての課題をたくさん出してくれました。みんなもっと良くしようと考えてくれています。頼もしい限りです。来年の夏祭りは、きっともっと素敵な夏祭りになることでしょう。

あすか

正木の家8月

カテゴリ名: 正木の家

正木の家のおしゃれ大好きM様。若いころからお買い物が大好きで、しょっちゅう松坂屋に出掛けては、お買い物を楽しんでいたそうです。

友達とよく旅行にも出かけていたようで、旅行の度にお洋服からバッグまで全て新調していたというこだわりっぷり。今でも毎日素敵なお洋服をお召しになっています。

私が柄物の洋服や明るい色の洋服を着ていると、はっきりと発語ができないM様が「これ素敵ね」と言わんばかりに、服をちょんちょんっと触ってにっこり微笑んでくれたりもします。いつまでもおしゃれ心を忘れない正木の家の素敵女子です。

先日、皆様で正木小学校の盆踊りに出掛けました。やぐらから少し離れたところに皆で並んで、子供達が踊る様子を見ていました。ときどき職員と一緒に踊ったり、音楽に合わせて手拍子したりと、盆踊りの雰囲気を楽しまれていました。もっと盆踊りの雰囲気を楽しんでもらおうと、 M様と一緒にやぐらの近くに行くと、いつも月壱屋にご来店下さる方が声を掛けて下さいました。

毎年やぐらの上で踊られる女性会の方です。「今年は浴衣を新調したの」と、浴衣姿をみせて下さいました。するとM様、浴衣をちょんちょんと触ってにっこり。素敵な浴衣を褒めておられました。些細なことですが、はっきり発語のできない認知症の入居者様と、地域の方とのコミュニケーションがこういった形で取れたことをとても嬉しく感じました。

やっぱり女性はいくつになってもおしゃれに関心があり、素敵なものには敏感です。それは認知症になっても変わらないのです。だって正木の家の女性たちもみんな素敵なものが大好きだし、若者に負けないくらいのキラキラ女子ですから。

あすか

正木の家7月

カテゴリ名: 正木の家

令和4年からの身体拘束適性化委員会、令和6年からは、虐待防止委員会の設置が義務づけられました。身体拘束は年4回、虐待は年2回、委員会の開催が義務となっています。

正木の家も2ケ月に1度行っている運営推進会議内で委員会を開催しています。現状、正木の家では身体拘束も虐待もない為、これってちょっとグレーゾーンなのでは?というケア事例を出して、外部の方の意見を頂くようにしています。

どんなものかというと、身体拘束、虐待とまでは言えないが、それになりうるかもって状況です。例えば、「ちょっと待って!」や「座ってて!」と言って行動を制限するスピーチロック。まだ自分でできるのに、様々な理由から介助してしまう過剰介助。声掛けをせずにいきなり介助する等。悪気はないけど、ついやってしまっていたかも・・と思いあたるかと。

委員会を開催し、様々な方々からのご意見を頂き、最終的にたどりつく結論はいつもこれです。それを行う理由が何なのか、入居者様の気持ちに寄り添ったケアなのか、今のケアが適切であるのか、これを常に考え、検証を繰り返していくこと。グレーゾーンが常態化してしまうと身体拘束、虐待になる。だからこそ今のケアが適切であるのかを常に考える必要があるということです。

つい言ってしまった、ついやってしまった。思い当たる節がたくさんあります。ほんの少しの気のゆるみだったり、手抜きだったり。気持ちの余裕のなさから出てしまう「つい」。  職員だって人間ですからそんなこともあります。でもこの「つい」に気づき、「しまった!」  と思い反省する。結局はこの繰り返しなのだと思います。そして正木の家はチームです。チームでお互いに気づき合うことができます。チームで協力し、みんなで考え、これまでのように身体拘束、虐待のない正木の家であり続けたいです。

あすか

正木の家6月

カテゴリ名: 正木の家

先月位から、どうも体調が芳しくない入居者様が続出しております。繰り返される急な熱発、食欲不振、嚥下の低下と穏やかでない日が続いております。

急な体調変化があると、何が困るって原因がはっきりと分からない事。熱発は採血しても異常なし、カロナールを服用したら次の日にはいつも通り元気になっている。食事は食べたくないのか、他に原因があって食べられないのか、年齢的なものなのか??

今までもずっとそうだったのですが、これだ!っていう答えがなかなか見つからない。結局は職員みんなで原因を探りながら対処していくしかないのですが、まあまあモヤモヤします。有難いことに正木の家の職員はベテランさんがほとんどなので、その都度的確な対処をしてくれて大事に至らず復活してくれることが多いのですが、それでもやっぱりモヤります。

復活してくれたらそれで良しだとも思うのですが、「っで!結局なんだったの?」ってまあまあなります。原因も人それぞれだし、探り出したら限りがないほどあるし、結局本当の理由はわからないままがほとんど。

認知症ってひと言だけど、難しいにもほどがあるなって感じる事があります。でもなんとなく、ひとつだけ言えることは、今、私たちに出来ることはできる限りやるってことだと思います。私たちがあきらめて匙を投げたとて、それでなにか状態が良くなることはないのです。今までも職員みんなであきらめずにケアし続けたら復活してくれた、そんな経験が何度も何度もあります。

私たちは医者じゃないし、病気を見つけてあげることはできないし、痛みをとってあげる事も出来ないけど、結局は根気強く、愛情たっぷりにケアすることが、おそらく一番のお薬なんじゃないかな~なんて思っています。

あすか

正木の家5月

カテゴリ名: 正木の家

今年に入って、正木の家は喫茶店ブームです。

1月から3月は入居者様のお誕生日が目白押しだった為、お誕生日の方から順番に喫茶ランチに出掛けています。いつもは出かけず、ケーキでお祝いをしていたのですが、コロナも明けたことだし、外食に行こうじゃないかとお出掛けモード。

最近のお気に入りはカフェヨシノ。正木の家から歩いて十分程度で、店内も広く、大きい車椅子でも楽々入れます。店員さんもとても親切で、嫌な顔せず車椅子用に席を用意してくれます。ランチも4種類あり、みんなが大好きなカレーもあります。こんなに近くにあるのに何で今まで行かなかったのかなぁ。入居者様もみんなニコニコしながら食べておられました。

いつもとは違う雰囲気でのお食事ってやっぱりウッキウキしちゃいますよね。車椅子での外食って、店内の広さだったりお客さんの多さだったり、食事の内容やトイレの広さなど、色々考え過ぎてつい躊躇してしまいます。リクライニングの大型車椅子だったり、食事にとろみ剤が必要だったりとかも。そんなことを色々考えてしまうとなかなか出掛けられません。

でもちょっとしたランチや、お茶くらいなら意外に何とかなるものです。毎日のケアで臨機応変は、みんな訓練していますからね。せっかくコロナが明けたのだから、今年はじゃんじゃんお出掛けしちゃおうと思っています。

今月はスシローにお寿司を食べに行っちゃおうです!

あすか

正木の家4月

カテゴリ名: 正木の家

先日、毎年恒例の餅つき大会が開催されました。昨年は雨上がりの肌寒い気候でしたが、今年は暑いくらいの晴天に恵まれ、気分も晴々な餅つき大会となりました。

たくさんのシニア応援隊がお手伝いに来て下さいました。皆様本当にお元気で、杵の重さもなんのその。手慣れた腰つきで、どんどんお餅が出来上がっていきました。

子供達も大活躍で、応援隊の皆様に手を貸してもらい、頑張って餅をついてくれました。餅つきを初めて体験する子もいて、日本の伝統行事を経験させてあげられる良い機会となりました。

さて入居者様はというと、基本食べる専門です。一応餅つきを見学し、記念撮影をすませ、さあ食べようと室内へ。あんこ、きな粉、大根おろしにお汁粉と出来立てのお餅をパクパクパクパク。嚥下機能が芳しくない方には、特製豆腐白玉を用意しましたが、白玉でスイッチが入ったのか、結局はお餅を爆食。なんなら嚥下しにくい食べ物ベストテン? に入るであろう食品を見事に組み合わせた、最強海苔巻き餅も普通に爆食。今年も素晴らしい食べっぷりを見せて下さいました。

餅つきは縁起のいいお餅をみんなで協力して作り、喜びを分かち合う社会的意義があるのだとか。最近では地域の繋がりが希薄になり、様々な行事がなくなりつつあります。更にコロナウィルスやノロウィルス等、感染症リスクの観念から、食品を扱う行事を開催する事も難しくなってきています。高齢者から子供たちまで、幅広い年齢層が協力して楽しめる行事が減りつつあるのは、とても残念なことです。

そんな世間の流れですが、正木の家は懲りずにずっと続けるつもりです。正木の家というこの場所が、少しでもこういった行事を担う場所になり続けられたら幸せです。

あすか

正木の家2月

カテゴリ名: 未分類

2月3日。

今年の節分も、豆まき大会&恵方巻大会を開催しました。

まずは、入居者様&職員も総出で「鬼丸山」に満面の笑みで、思いっきり豆をぶん投げます。逃げまわる鬼を横目に、持っている豆を懐に隠し持っていこうとする入居者様。「はいはい、後で食べようね~」とひとまず回収し、恵方巻大会スタートです。

今年も欲張りI様は、具をたくさんのせすぎて、細巻きの予定が見事な太巻きになっていました。太巻きを3本ペロリと平らげ、「あ~お腹一杯」とご満悦。

何でも信じる素直なM様、「恵方を向いてしゃべらずに1本食べると今年もいい事があるんだよ 」と言うと、一生懸命無言で平らげておられました。

さてさて、今年初参戦のH様はというと、職員が海苔にご飯をのせていく端からつまみ食い。しかし、出来た恵方巻を、恵方を向いて食べてもらおうと切らずに渡すと、「いや~」とお皿に置いてしまい食べようとしません。しょうがないので切って提供すると、パクパク手でつまんで食べていかれ、あっという間に3本完食。「つまみ食いはするのに、そこは上品にいきたいのね。こだわりね。」と、無理やり自分を納得させました。

ほぼ皆様3本の巻き寿司を完食し、今年の巻き寿司大会も無事終了です。高齢者にとって、海苔は嚙み切れないから危険と言われますが、歯のない入居者様も、丸々1本をしっかり噛んで召し上がっておられました。なんせお寿司は皆様の大好物。好きな物なら食べられるのです!

心配し過ぎて、好きな物なのに制限してしまうのは何だか悲しい事。もちろんリスク管理は大切ですが、出来るだけ好きな事をして、好きなものを食べ、笑って暮らしてほしい。

これが私のこだわりです。

あすか

正木の家1月

カテゴリ名: 正木の家

新年あけましておめでとうございます。正木の家13年目の年がスタートしました。

コロナウィルス感染症の急拡大から早4年。あれは4年も前だったのかと、猛スピードで過ぎていく1年に気持ちだけがついていけず・・。どんどん垂れていく頬の肉を鏡で眺めながら、やるせない気持ちになり迎える新年でございます。個人的にはこんな感じで新年を迎えたのですが、正木の家の入居者様はすこぶる元気にお過ごしです。

新年が明けてすぐの1月2日。M様「白寿」のお祝いをしました。孫からひ孫まで、勢ぞろいでお祝いに掛けつけてくれました。綺麗なお花を渡され涙を流すM様。11月に産まれたばかりのひ孫を上手に抱いてあやす姿に、なんだか私も感動してしまいました。

恒例の白の衣装で写真撮影をし、他の入居者様も交じってケーキでお祝いをしました。ご家族に囲まれ「おばあちゃん、おばあちゃん」と、ご家族に心配されながらケーキを頬張るM様。本当に本当に、幸せそうでした。

後日、「99歳まで生きてみてどう?楽しい?」と聞いてみたところ、「楽しいな~。幸せだ~。」と言われました。更に「長生きしたいな~。」とも。まだまだ長生きする気まんまんのようです。

いつも前向きで負けん気の強いM様。そんなM様から逆に元気をもらった、そんな素敵な新年でした。

頬の垂れなんかでモヤモヤしている場合じゃないようです。今年も正木の家をどうぞよろしくお願い致します。

あすか