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カテゴリー別アーカイブ: 正木の家

正木の家6月

カテゴリ名: 正木の家

6月もあっという間に半分過ぎ・・というか、今年も半分が過ぎようとしています。
相も変わらず緊急事態宣言で出かける事もままならず、モヤモヤから脱出できずにいます。

もともとインドア派でおウチ大好きの私ですが、出かけられないとなるとどこかに行きたくなる。
行ける時には行こうとしないのに、いざ行けなくなると行きたくなる。
身勝手でしょうもないなと思う今日この頃であります。

そんな中、唯一の兆しとなるワクチン接種が正木の家でも始まりました。
幸いな事にかかりつけ医の先生が接種して下さることとなり、
正木の家で入居者様と職員全員が1回目の接種を終えました。

ワクチンが届いたら一番に打ちに行ってあげる・・との先生の計らいで、
思ったよりも早く接種する事ができました。
1回目という事もあるでしょうが、今のところ大きな副反応もなく、
入居者の皆様は何事もなかったように過ごしておられます。

順調にワクチン接種が進み、安心して外出ができ、
入居者様や地域の皆様と一緒に楽しいイベントが行える、
そんな以前の正木の家に戻ることを待ち望んでいます。

あすか

正木の家5月

カテゴリ名: 正木の家

今年もコロナ禍のゴールデンウィークで、どこにも出かけれられない方が多かったと思います。
子供さんのいるご家庭は特に大変だったことでしょう。
どこかに連れて行ってあげたいのに、連れて行ってあげられないもどかしさ。
そんなもどかしさを感じる今日この頃、正木の家はお散歩三昧の日々を送っております。

暑くもなく寒くもなく、今の気候は絶好のお散歩日和。
夏になると暑すぎてなかなか出掛けられないので、ここぞとばかりにお散歩に出かけています。
お散歩コースは正木の家~正木公園。木々はいつも季節を教えてくれます。

春には桜が咲き、夏には葉が青々と茂り、秋には紅葉、冬は少し寂しく散っていく。
施設の中は冷暖房を使い、暑いも寒いもなく季節を感じることがあまりありません。
昨年からは外出も減り、季節ごとのイベントも軒並み中止となって、季節を感じる機会が減ってしまいました。
楽しいイベントもなく、毎日の生活がついついマンネリ化してしまいがちです。
生活がマンネリ化すると日増しに気分が萎え、やる気がなくなってしまいます。
それを「気涸れ」と言うそうです。気が涸れて、生命力が衰えた状態のたとえとのこと。

コロナ禍でついついなりがちな気涸れ状態。
それを防ぐ為にも、少しでも季節を感じ、日々を出来るだけ丁寧に暮らすよう心掛けたいと思います。

あすか

正木の家4月

カテゴリ名: 正木の家

昨年に続き、今年もコロナ禍での春を迎えました。
緊急事態宣言は解除されたものの、まだまだ予断を許さない状況は続いています。

が、だからと言って、こんなに陽気が良くて桜も綺麗なのに花見に行かないなんてもったいない!
ってことで、皆さんと東別院までお花見に行ってきました。
もちろん感染対策をし、花を愛でながらの桜餅は我慢しましたよ。

気持ちの良い日でしたし、桜は綺麗だし、入居者様も嬉しそうだし・・。
お腹は満たされなかったけど、心は満たされた気分でした。
そんな様子をご家族にもラインすると、皆様大変喜んで下さいました。
みんなでお出かけできた事や、外の空気を吸うことができた事、桜を愛でて季節を感じられた事、
各々返信を下さいました。
そして最後には皆様必ず、ありがとうございましたと言って下さいます。
お手数をお掛けしましたとも言って下さいます。

こんなコロナ禍にみんなで外出なんて・・
と思う方もいるかもしれません。でも、ご家族からこのような言葉を頂くと、
行ってよかったんだなと安心します。

昨年からあらゆる場面で迷う事が多くなってきました。これはやっていい事なのか?
ここまでは大丈夫か?どこまでが正解なのか!リスクを考えたら何もしない、
どこにも行かないのが正解なのかもしれません。
しかし、認知症の方にとってはそれこそがリスクでしかありません。
ワクチンの接種が始まりますが、まだまだコロナウィルス感染症終息の目途は立っていません。
感染リスクを減らしながら、認知症進行のリスクも減らす。

昨年に続き、迷える日々は続きそうです。

あすか

正木の家3月

カテゴリ名: 正木の家

2月3日、S様が正木の家に入所されました。大正産まれの95歳。
目が合うと「なに~」と言いながら微笑んでくれるとても愛くるしい方です。

静岡で一人暮らしておられた後、娘様の暮らす名古屋にやってきました。
認知症の進行と共に夜間のおトイレが上手くいかなくなり、入所を考えられたそうです。
昨年7月に娘様が見学に来られましたが、その時正木の家は満床。
8月に特養に入所されたようでした。

正木の家が空いた連絡をしたところ、特養から正木の家に転所してこられました。
娘様も特養に特に不満があるわけではないので悩まれたそうです。
S様のご姉妹に相談したところ、「私ならやっぱり個室がいいかな。」
と言われ、転所を決断されたとのことでした。

転所を決められた後、ふと思い出したことがあったそうです。
S様には1歳の時に病気で亡くした息子がいて、その息子の名前が「正樹(まさき)」だったと。
娘様は産まれる前で会ったこともないけれど、ご自宅のお仏壇に「正樹」と名前があったそうです。
それを思い出し、「最後は息子のもとに帰るんだね・・」と話して下さいました。
その話を聞きながら「ご縁ですね」と娘様と2人で涙ぐんでしまいました。

S様はもう息子の事は覚えていません。
娘様も「こんなつらい事覚えていない方が本人は幸せだと思う」と言われました。
それでも縁がS様を息子のもとに連れてきてくれたように思います。
縁が運んでくれた名古屋にある息子の名前の場所で、これからのんびり楽しく
暮らしてもらえたらと思っています。

あすか

正木のいえ2月

カテゴリ名: 正木の家

1月半ば、入居者N様が脳梗塞による嚥下障害にて胃ろう造設となり
残念ながら退所となりました。食べる事が何よりも好きだったN様。
毎食のご飯を楽しみにされて、「ここのご飯は美味しいもんね」
といつも言ってくれていました。

社長が持ってくるお饅頭には「やったー」と手をあげ大喜び。
毎週日曜に来所する息子さんの差し入れも楽しみにされており、
夕食前にハンバーガーや菓子パンをペロリ。
更にそのあとすぐに夕食も完食されていました。
夏祭りでは大好きな焼きそばやタコ焼きを美味しそうに頬張り、
クリスマス会にはお寿司やケーキを前に満面の笑み・・・。

そんなN様の嚥下障害。残念でなりません。
今はリハビリ病院に転院され、頑張って訓練を受けておられるそうです。
まだ73歳という若さで、とても頑張り屋のN様。
その頑張りが報われ、大好きな焼きそばやハンバーガーを食べられる日が
来ることを願って止みません。

そして、立春の2月3日、正木の家には新しい入居者様が入所されました。
とってもお元気で茶目っ気たっぷりな95歳のS様。
会った瞬間キュンっとくる事間違いなしです。そんなS様についてはまた来月・・。

あすか

正木の家1月

カテゴリ名: 正木の家

あけましておめでとうございます。

正木の家は今年、開所10年という節目を迎えております。
この9年間で21名の入居者様と出会い、関わらせていただきました。
誰一人として忘れることのできない個性派ぞろいです。

正木の家、永遠の主S様。産まれながらのお嬢K様。
抜群のスタイルの持ち主W様。男気溢れるT様。
ダンディーK様。いつもにこにこA様。
芸者ワルツのM様。等々など…。

21名の入居者様の人生最後のステージを一緒に過ごさせていただけたことは本当に幸せな事です。
これからもたくさんの方と関わらせて頂く機会があるでしょう。
忘れる事の出来ない人たちの最後の時を、一緒に過ごせることに感謝し、
10年という節目の年を過ごしたいと思います。

こんなご時世なのでパーッとお祝いもできそうにありませんが、
コロナが落ち着いたら派手に十周年のお祝いをしたいものです。

よろしく社長!

あすか

正木の家12月

カテゴリ名: 正木の家

今年も残すところあと僅か。
皆様コロナ疲れでウンザリしている事と思います。
この1年、「コロナが終息するまでの我慢だ。」と言い続けてきましたが、
とうとう終息する事なく今年が終わりそうです。

私もやれ外食できないだの、やれ旅行に行けないだの、ブーブー文句ばかり言っていたように思います。
来年は少しだけ文句を言うのをやめ、コロナ終息を静かに待ちたいと思う今日この頃です。

さて、正木の家はと言うと、今日も入居者様の元気な声が響いております。
みんな自己アピールが凄い!
T様は「あー」と大きな声を出しては職員を捕まえてアピール。
N様の「〇るみー」と何度も自分の名前を呼んでアピール。
М様の「ご飯下さい。お金下さい。」と2階中に響き渡るくらいの大きな声でアピール。
U様は職員が近くに行くと、可愛らしい目でじぃーっと見つめてアピール。
K様は歩き回っては職員の近くに来てアピール。

皆様、私はここにいるよーと訴えているようです。
自己アピールは人が備えている自己防衛本能だそうです。
自分の存在を周囲にアピールすることで、自分に危機が訪れたときに助けを求めやすくする目的があるのだとか。
皆様、自己アピールすることで本能的に「私に危険が及んだら助けてね。」っと伝えているようです。
生きる気力満々です。アピールが続く限り、皆様元気なことでしょう。

ちょっとうるさいくらいが安心できる正木の家。
来年も入居者様の「元気いっぱい」の声が響きわたる正木の家である事を願って。
良いお年をお迎え下さい。

あすか

正木の家11月

カテゴリ名: 正木の家

11月5日(木)バス旅行に出かけました。
今年はコロナウィルスのおかげで、楽しみにしていたイベントも軒並み中止。
入居者様のお楽しみが激減しておりました。

そんな中、コロナが落ち着いてきたこのタイミングを逃すまいとバス旅行を決行。
観光バスで『アクア・トト』に行ってきました。
入居者9名様全員、トータル753歳のバス旅行がスタート。

バスに乗り込むや否や、職員の膝枕で気持ちよさそうに眠るT様。
大須の街並みを観て「変わったね~」と得意セリフのN様。
そうこうしているうちにあっという間に到着です。

まずはご飯。
カレーや唐揚げ丼等、皆様モクモクと食べ進めます。
いつもと同様、ご飯までは平和、その後はてんやわんやです。
K様は食べ終わると、テーブルに貼ってある感染予防の注意書きを剥がして回り、
しまいには侵入禁止のポールを外して中にまで入ろうとする始末。
そしてそれに振り回される社長丸山。散々社長を振り回しぐったり疲れて座り込み。
そんな男性2人をおいて女性陣は水族館へ。
はじめは魚に興味を示すも、意外に広い館内に疲れて魚どころではない状態。
ぐったりしながら水族館を観終わるも、デザートのアイスクリームを食べると全員復活。
後半追いついたK様も何事もなかったかのように、嬉しそうにソフトクリームを食べました。

そして帰りのバスはいつもと同様、響き渡るM様のしゃべり声。あれやこれやとありましたが、
皆様無事に帰ってこられました。どこに行っても、何もしても、皆様お変わりなくて何よりです。

来年も皆様変わらずお元気で、762歳のバス旅行に行けることを願っています。

あすか

正木の家10月

カテゴリ名: 正木の家

最近、河野太郎に夢中な私。
おもしろTwitterも、サスペンダー姿も好きですが、何より話が分かりやすい。
知識をひけらかす事なく、難しい言葉を使わず、回りくどくなく、
政治や政策に詳しくない私にもストンっと入ってくる。

聞く相手が分かりやすいように話をするには技術も必要ですが、
何より思いやりなのだと思うのです。
ただ自分の知識や考えを話すのではなく、相手が分かりやすいように話ができる。
そんな思いやりのある太郎さんが大好きです。

自分の伝えたい事を、分かりやすく相手に伝える事は本当に難しいと思います。
特に認知症ケアではその難しさはひときわです。
言っている事が理解しにくい入居者様に対して、どう分かりやすく伝えるか、
正直毎日手探りです。

例えば、座るで伝わらなければ、違う言い回しで。
腰を掛ける、腰を下ろす、お尻を置く。それでも伝わらなければ自分が座って見せる。
食べるが伝わらなければ、箸を持つ、掴む、口に運ぶ、とひとつずつやり方を伝える。
毎日まいにち、どう言ったら伝わるのか試行錯誤です。
うまく伝わらない事もしょっちゅう。でも、どうしたら伝わるのか、
それを考える事も思いやりだと思います。

思いやりとは「思い」を「遣る」。
思いを相手に向けるという意味なのだとか。上手に出来なくても、
相手の事を考えて行動出来たら全て思いやりです。
太郎さんのようには出来なくても、思いやりの心は忘れずにいたいです。

あすか

正木の家9月

カテゴリ名: 正木の家

おしゃべり大好きM様。正木の家に入所して早5年。
入所してから5年間、ずーっとおしゃべりです。

94歳になっても相変わらずおしゃべりです。 
誰かが話し掛けなくとも、基本的に1日中おしゃべりしています。
M様の声が聞こえないと、職員がみんな不安になるくらいです。

そして更に感情も豊か。
「お父さんがどっかいっちゃった」と、泣きながら話される時もあれば、
「おまえは馬鹿か!」と、何かに怒っている時があったり、「ご飯ちょーだい!」と、
可愛くおねだりしている時があったりもします。時には急に東京音頭を唄いだすことも。

頭のいい人なのでしょう。
言葉のチョイスがとても面白く、聞いててつい、クスッと笑ってしまうことも。

「話す」は「放す」に通ずると言います。言葉に出して話すということは、心を開け放ち、
溜まっていたモヤモヤを身体から放してくれる効果があるそうです。

M様は溜まったモヤモヤを手放すのがとても上手なのでしょう。
嫌なモヤモヤを毎日少しずつ手放し、すっきりきれいな心と身体になる。
おしゃべりな人が長生きと言われるのも、なんだかわかる気がします。
M様はきっと元気に長生きされることでしょうね。

あすか