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カテゴリー別アーカイブ: 正木の家

正木の家2月

カテゴリ名: 正木の家

★100歳バンザイ!

令和2年1月7日、入居者T様がめでたく百歳を迎えられました。
平成24年の1月に正木の家が開所し、同年の5月にT様は正木の家にやってきました。
その時すでに92歳。お元気でお元気で、声が大きく、よくしゃべり、気が強く、
でも思いやりがあって、可愛らしい人。

この8年間本当に色々ありました。大腿骨を骨折したり、気管支肺炎で入院したり、
インフルエンザにかかったり、おでこを3針縫ったこともありました。
しかし毎回予想を上回る回復ぶりで元気に復活!
ご家族もびっくり。職員もびっくり。かかりつけ医の北川先生もびっくりです。

そんな恐るべし治癒力を持ったT様。百歳になった今でも、声も大きく、よく食べ、
よく寝て、相変わらず気も強く、でも 「ありがとな」とにっこり微笑んだ時の笑顔が
たまらなく可愛らしい人です。

ご家族や職員、みんなに愛されている正木の家のお母さん。
いつまでもいつまでも変わらず元気でいてほしいと思うと共に、
一緒に過ごせる日々を丁寧に大切に刻んでいきたいと思います。

あすか

正木の家1月

カテゴリ名: 正木の家

★ミカン!みかん!ミカン!

正木の家は平穏無事に新年を迎える事ができました。

今年も皆様がのんびりゆっくり暮らせるよう、のんびりゆっくり
やっていきたいと思います。

正木の家はみかんに終わり、みかんで始まる。
まさにみかんづくしの年末年始でした。
ベランダにはみかんの段ボールが2箱。午前の水分補給でみかん。
おやつにみかん。このところ毎日みかん。冬といえばみかん。
正木の家といえば・・・のみかんとなっております。

そしてそのみかんを常に目を光らせながら狙っているのがK様。
キッチン横のテーブルにみかんが並んでいると目掛けて一直線。

M様の介助をしようと職員がテーブルにみかんを置くと、すかさずパクリ。
ベランダに出たかと思うと、みかんを剥きながら帰ってくる。
そしてちゃっかりポケットにもみかん。みかん大好きK様は今年も元気。
毎年冬になると風邪を引くのにまだ引いていません。
みかんは風邪予防に効果があるようです。

この冬は全員でみかんを食べ、乗り切ろうと思います。

あすか

正木の家12月

カテゴリ名: 正木の家

★すなおなきもちで!

先月、あいち福祉医療専門学校の生徒2名が実習にきていました。
実習目標は、入居者様と関わり、コミュニケーション技術を習得する。

始めは2人共緊張して、笑顔も少なく、話しかけることも出来ずただ隣に座っている・・。
そんな状態でした。

しかし毎日カンファレンスを続け、困っている事、疑問を一つずつ解決し、
こうしてみたらとアドバイスすることにより、どんどん笑顔も増え、自分から積極的に
接することができるようになりました。

たった十日間でみるみる変わっていく2人を見て、とても嬉しく思う気持ちと、
伝えた事を着実に実践していく2人の素直さに感嘆しました。

年々感じるのですが、変化が怖くなったり、人の話を素直に聞くことが出来ず、疑ったり、
つい反論してしまったり・・。そんな事が増えてきたように思います。

今回の実習で2人の変わっていく様子、私の言葉を素直に受け入れる姿勢をみて、
改めて今の自分を反省しました。18歳に教えられる38歳。

来年は素直で謙虚に生きようと思います。

あすか

正木の家11月

カテゴリ名: 正木の家

★おとうさんははたらきもの!

正木の家のKさん。
やっぱりお父さんだけあって一番の働き者です。
洗濯干しやたたみ、掃除機掛け。ベランダの掃き掃除からもやしのヒゲ取りまで。
気分にムラがある為、毎日とはいきませんが、いい時にはとても丁寧に根気強くやってくれます。

洗濯たたみでは1枚のバスタオルを何十分もかけ、丁寧にしわを伸ばしたたんでくれますし、
ベランダの掃き掃除では40分近くかけて隅から隅まできれいに掃いてくれる事もあります。

一つ一つの仕事がとても丁寧で、頭が下がります。
認知症は進行性の病気で、進行するに従い出来なくなっていく事も増えます。
それと共に、年齢によるADLの低下も重なり、入所当初は洗濯たたみや食器拭きをされていた方も、
次第に出来なくなってしまいます。
しかし、Kさんは正木の家に入所し早6年、変わらず正木の家でのお仕事に精をだしてくれています。
人により進行度合いに違いはありますが、やはり継続してきた事も大きな要因なのでしょう。

継続することは本当に難しく、入居者様ではなく職員がついつい「もう出来ないよね」
と諦めてしまいそうになることがあります。

しかし、日を変えたら出来た、時間はすごくかかってしまうけど出来た、そんな事もたくさんあります。
職員が出来ることを出来なくしてしまっては元も子もありません。
諦めずにお願いして、お父さんにはまだまだ頑張ってもらおうと思います。

あすか

正木の家10月

カテゴリ名: 正木の家

★最後のことばは?

現在、名古屋と豊田で開催されている愛知トリエンナーレに「10分遺言」
という作品が展示されています。

人生の最後に、誰かに言葉を残すとしたら何を書くかをインターネットで募集し、
24枚のモニターに次々と映し出されていく作品です。

何枚も何枚も映し出されていく遺言を読んでいて感じたことは、怒りや恐怖、後悔の言葉は
ひとつも書かれていないこと。
むしろどの遺言にも感謝の思いと残された人を励まし応援する言葉で溢れていました。

死を受け入れるとはこういうことか。自分よりも他者。究極の思いやりだな。
大量の遺言を読みながらそんなことを考えていました。

正木の家も開所してから10人の方の最後を見送ってきました。
最後のお顔は皆さま本当に穏やかでした。
皆様の心の中の遺言も、きっと感謝と励ましの言葉で溢れていたことでしょう。

あすか

正木の家9月

カテゴリ名: 正木の家

★今年もやったぜ!

先月、正木の家の夏祭りを開催しました。
今年はおなじみのメニューに加え、たこ焼きと月壱屋アニキの特製海苔巻きも。
ご家族、地域の方にも大変喜んで頂けました。

さて、正木の家の入居者様はというと…
前日からお祭りが楽しみすぎて眠れなかったり、浴衣を着てもらおうとすると、
「私のじゃありません!!」と怒り出し、でも着たら着たでご機嫌だったり。

人の多さに混乱し、ソワソワ落ち着かずハッピと豆絞り姿で散歩に出かけたり、
たこ焼きやら焼きそばやらフランクやら、無心で食べ続けお腹をこわしてしまったり。
色々ありましたが、皆様ご家族と一緒の時間を楽しんでおられました。

正木の家の夏祭りも今年で8回目。
毎年ご家族や地域の方々からとても有難いお言葉を頂きます。
入居者様の笑顔、ご家族からのお言葉、地域の方々とのつながり、これらが私たちの原動力です。

それを実感できる夏祭りでした。この原動力を糧に正木の家はこれからも動き続けます。

あすか

正木の家8月

カテゴリ名: 正木の家

★ちゃんとみていますか?

正木小学校の盆踊りの日、入居者N様が発作で救急搬送されました。
日中はいつもとお変わりなく、夕食もしっかり完食されていたのですが、
夕食後の口腔ケア時に左半身の痙攣が始まり、時間を追うごとに痙攣はひどくなり、
発汗、発熱もあった為、救急搬送となりました。

病院で点滴、CT検査で脳に異常はなく、痙攣も収まった為、その日に帰所となりました。
もともとてんかん発作を持っておられ、何度か救急搬送や入院をしておられました。

特に夏に発作が起こることが多く、脱水にならないよう水分摂取には気を付けていたつもりでした。
毎食のお茶は必ず飲んでもらうようにしており、それに加え10時、15時、入浴後の水分補給も行っています。

しかしこの日は、状態からみても、脱水状態だったのだと思います。
これだけ飲んでいるから大丈夫だろう、この決めつけが間違っていたのだと思います。
その日によって気温も違う、入居者様の状態も違う、決まった事さえやっていれば大丈夫
なんてことはないのです。

その日の入居者様、その時のご様子をしっかり観察するべきでした。
その日のN様をしっかり見ていれば防げた発作かもしれません。

観察、観察。もっと観察力を養おうと思いました。
盆踊り楽しみにしていたのに。行かせてあげたかったなー。

あすか

正木の家7月

カテゴリ名: 正木の家

★まだまだしゃべる! たべる!(正木の家)

正木の家では毎日、入居者様の大きな声がひびきわたっています。
正木の家らしいというか、菜の花らしいというか・・。

悪く言えば騒がしい、よく言えば明るい、そんな雰囲気でしょうか。
なかでも90代のお二人は、誰にもおとらず大声で、さらによくしゃべる。

高齢になるにつれ、声帯はやせて支える筋力もおちてくるそうですが、
そんなことはまったく感じられません。
そしてそんなお二人は嚥下の力も高いのです。ミキサー食やきざみ食ですが、
飲み込みはばっちり。声を出す嚥下訓練があるように、食べるちから、飲み込むちからは、
声を出すことで維持されているのでしょう。

なによりちゃんと食べていることが一番大切なのかもしれません。
94歳と99歳のお二人、大きな声が出ているうちはまだまだお元気。
大いにしゃべり、大いに笑い、大いに食べて百歳突破を目指してほしいです。     

あすか

正木の家6月

カテゴリ名: 正木の家

★変わらないことを大切に

先月、新しい入居者K様が入所されました。
29年の12月から入所を希望されていて、ようやく正木の家に入所となりました。

利用申し込みに来られた時のK様はまだ要介護2。
ご自分で歩いておられ、耳は遠いもののしっかり受け答えもできていました。

施設内のご案内をしている時、隣にいた私の手をそっと握り、にっこり微笑んでくれたのをよく覚えています。
1年半ぶりに会ったK様はどこか遠い目をして車椅子に座っておられ、表情も乏しく、
受け答えもほぼ出来ない状態でした。

1年半でこんなに変わってしまうものかと、認知症の怖さを改めて実感しました。

しかし変わっていないところもありました。
時折見せてくれる笑顔の可愛らしさは1年半前、初めてお会いした時と変わっていません。
職員の顔をしっかり見て、こちらが向ける笑顔に笑顔で返してくれます。
介助をすると必ずと言っていい程「ありがとう」と、言葉をかけてくれます。

そんなK様に職員の方が癒され、元気をもらっています。

認知症の進行とともに変わってしまったところもたくさんあるでしょう。
しかし、 K様の根源的な部分は変わっていないのだろうと感じます。
入居者様のご家族やお友達から「認知症になって変わってしまった」と言われる事があります。
ついつい変わってしまった事にばかり目がいってしまうのでしょう。
しかし変わらない部分は必ずあります。変わらない部分こそ、大切にしていくべきところなのだと、私は思います。
K様の変わらない笑顔、正木の家でも大切にしていきたいと思います。      

あすか

正木の家 5月

カテゴリ名: 正木の家

★ゆっくりおやすみください
平成24年に入所された入居者のW様が、先月永眠されました。
私のW様に対するイメージは「生命力にあふれた人」。
入所した頃はとてもパワフルで、エネルギッシュで活力みなぎる人でした。
しかし認知症の進行と共ににADLも低下。
この数年は1日リクライニング車椅子で過ごす状態でした。
更に嚥下機能も低下し、ミキサー食へと変わっていきました。
それでもW様からあきらめのような気配は全く感じられず、
むしろ生きる活力が増したように感じていました。
負けず嫌いのW様、病気に負けまいと戦っていたのでしょう。
昨年の8月からは更に食べる事が困難になり、みるみるうちに痩せてしまわれましたが、
それでもW様からは強い何かを感じました。

私達職員もその力に後押しされ、日々のケアに励んでいたように感じます。
最後は「明後日、息子さんとお孫さんが来るからそれまで頑張ろう!」
と言う言葉をかけ、本当にその日まで頑張ってくれました。

ご冥福をお祈り申し上げます。       
(あすか)