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ヘルパーのつぶやき H25.11

カテゴリ名: ヘルパーのつぶやき

新しい事務所に移転して、一ヶ月が過ぎました。最初の数日はインタフォンの調子が悪く、「ピンポーン」と鳴るたびに全員がビクビク、ドアロックがうまく解除できず、結局1階まで走って開けに行く始末。

前の事務所があまりにも庶民的(というか普通の家?)だったので、来る人来る人に「事務所らしくなりましたね」「会社ですね〜」と感心されています。

新しいオフィスに慣れるにつれ、前にいたセンタービルのことは忘れがちですが、それでも夕暮れ時に前を通ると、なつかしくて胸がキュンとします。

窓のあかりはだんだん少なくなりましたが、まだ40世帯近く住んでおられるそうです。

「菜の花さんが引っ越してから、さみしくなっちゃった」と顔見知りの住人さんに言われるたびに、ますます「この地域で役に立つ会社」にならなくちゃなぁと感じています。 (玉)

正木の家 H25.11

カテゴリ名: 正木の家

正木の家の植え込み、金木犀。今年は咲かないのかな?と思っていました。

遠い昔、10月10日の体育の日の頃かなぁ。登下校時はこの香りで優しい気持ちになれたことを思い出します。そんなこと思いつつ、植え込みの横からS様がおられる居室を見上げました。

 

S様は9月下旬から体調を崩され居室で静養される時間が多くなりました。食事量が減り、元気がなくなってきたS様、1日500ccの点滴が日課となりました。

K先生は「病院だと1日1500ccの点滴を打つでしょうが、ご本人にとってはつらい状態をつくってしまうことになる。止めておきましょう。」

点滴を受けている間はご家族様が付き添い、手を握っていてくださいました。

時折、目を開けられますが、いつも枕元に長男様や次男様がおられ、どんなに安心された事でしょう。

すごいな・・と思ったのは、体力が落ち、起き上がることも難儀な状況でも「起きます!」とポータブルトイレに座ろうとされたことでした。ご本人にとって大変だからと「オムツをつけていいですか?」とお声かけをし、つけさせていただいたときのお顔は忘れることはできません。S様の尊厳を無視した情けない対応と反省しています。10月22日 金木犀の木に花はつきましたが香ってはきませんでした。

 

10月23日 正木の家に近づくと、あの何とも言えない優しい香りがあたりに漂っていました。嫌です! だめです! ・・・その日の12時59分、お嫁様に見守られながら息を引きとられました。

 

いつでも、誰にでも、優しい笑顔を向けてくださったS様、ありがとうございました。

これからは空から優しい笑顔で見守っていてくださいね。(赤)

今、おもうこと H25.11

カテゴリ名: 今おもうこと

毎年この時期になると、2カ月綴りカレンダーの残りがなくなったという表現を用いながら、今年という時間の区切りが迫っていることを記してきました。

仕事や家事・育児や親の介護など、人それぞれ立場の違いこそあれ、日々の暮らしは変わらず、おそらく来年も続いていくのでしょう。区切りというよりは振り返りの気分ですが、過ごした時間をちょっと眺めたりするのは、この時期ならではのような気がします。

 

私にとって、今年はかなり激動の1年でした。

 

昨年から介護手間が急に増えた父を見送ったのが2月。ふとしたきっかけからサービス付き高齢者向け住宅の計画が始まったのが3月。7月には事務所立ち退きの話が出て移転先探し。9月にはドクターから認知症対応型デイサービス設立の打診あって企画書作り。

10月には事務所移転・・。

 

さすがに年内はもう大がかりな出来事はないでしょうが、予期せぬことの連続だったなぁと思います。その都度、様々なご縁やスタッフの協力など、絶妙のタイミングで今日までなんとか乗り越えてこられましたが、かかる費用や労力も半端なく、まさに波瀾万丈。

深く記憶に刻まれた1年となることでしょう。

 

新しい事務所はオートロックで空調完備。電話やパソコンのケーブルも目につかないようなシャレた事務所でこの原稿を書いていますが、まさかこんな展開になるとは!

センタービルで迎えた今年の正月には夢にも思っていませんでした。

 

とういうよりは、予期せぬ出来事の連続が、今を生きていることの証しなのかもしれません。うれしいことも悲しいことも楽しいことも大変なことも、すべて命があって生きられる環境があればこそ、そこで初めて感じられることです。

 

歌の文句ではないですが、「来る日も来る日も苦労の連続。楽しいことなど何ひとつない!」っていう人生だって、生きているから感じることなのだろうなとしみじみ思います。

 

街にクリスマスソングが流れ、コートの襟を立てて歩くようになるのも間近。

生きにくい時代・・と言われて久しいですが、連綿と繰り返す日々に続く「明日」は、あるいは予期せぬほど素敵な展開になっているのかもしれません。

 

予期せぬ出来事の連続だった1年の締めくくりには、ひとつ宝くじでも買ってみましょうか? 寒さもこれからが本番です。どうぞお元気でお過ごしください。

正木の家 H25.10

カテゴリ名: 正木の家

10/3〜4と岩手県盛岡へ行かせていただきました。3日は東日本大震災で被災された陸前高田市と大船渡市の視察。

あの日、テレビでみた黒い波が地を這うように破壊していったのがこの土地なんだと実感。風化させてはいけないと「語り部さん」が案内してくださいました。

「避難場所となっていた市役所は津波に流され、多くの人の命を奪っていった・・」

「海岸から近い道路に面した道の駅では、一番高い所に逃げた方、3人だけが助かった・・」

「陸前高田は海岸沿いに7万本の松があり、今まで幾多の災害を防いでくれたが、今回の津波では1本の松を残しすべて流されてしまった。その松は『奇跡の1本松』として復興のシンボルになっています。」

「震災から2年半経った今、平坦だった地が5メートルかさ上げされたり、行きかうトラックを見ると復興は進んでいるようだが、私たちの心はまだガレキと一緒です。」

復興のため頑張っている建設業者が東京オリンピックへと行ってしまうのではないかとの懸念も話されていました。

4日は全国グループホーム大会。テーマは「認知症のグループホームに学ぶ人間の物語」

基調講演のあと、2名の方の事例発表がありました。1例目は戦争体験者と向き合う中で、若いスタッフは兵士となり帰宅するスタッフは出征兵士として見送られた。

2例目の発表者は親族3人の方が自死で命を閉じられた看護師さんの事例でした。ご本人にとって死との対峙は、震災により呼び戻されたようです。2例とも、「その方に向き合う」ことの大切さを伝えていました。向き合うって?

その方の人生を受け入れ、その方とつながるってことかな。その方の心に湧く世界を包み込んで、関係性を育んでいくと見えてくるのでしょうか。正木の家も開所後1年半です。入居者の皆さんと向き合いながら、泣いたり、笑ったりの生活を積み重ねていくことで、目指す「大家族の正木さんち」になれるのかな。

ヘルパーのつぶやき H25.10

カテゴリ名: ヘルパーのつぶやき

事務所の引越しにともない、先日、ひと足先に神棚がお引越しをしました。

お札は毎年伊勢神宮でいただいています。神棚は、新しい事務所にあわせて少し大きなものを社長がオーダー。こんどの神棚は屋根つきで、ちょっぴり本格的です。

まだ机も棚もない広々とした事務所の一隅にヒノキの香りが漂います。その場に居合わせた社員でそろって柏手を打つと、ふだん信仰心のない私も、気持ちがひきしまるのを感じました。

この日は伊勢神宮(内宮)の遷御の日でもありました。偶然同じ日になったことに気づいたときは、うれしいような、おそれ多いような・・・。

菜の花の20年後はどうなっているのでしょうか。

今 20代、30代のひとたちがリーダーとしてのびのびと働ける職場になっていますように、新しい神棚に手を合わせました。

今、おもうこと  H25.10

カテゴリ名: 今おもうこと

街のあちこちで金木犀の香りに出会える時期になりましたが、どうにもこの蒸し暑さでは「季節の移り変わりを感じる・・」といった表現がしにくく、日本もいよいよ熱帯気候になりつつあるのかなと感じます。気温の変化に洋服を合わせるのが大変な毎日ですが、皆様お変わりありませんか。

 

もちろん私たちも含めての話ですが、医師やケースワーカー、ケアマネージャー、介護士など独居高齢者の対応をしている専門職はよく、「在宅生活はもう限界・・」という表現を用います。食べられない、出せないなど継続した医療行為が必要な場合は別としても、独居在宅生活の限界を感じさせてしまう要因は多種多様で、支援に入ってくださっている皆様も日常的にいろいろ実感しておられることでしょう。

 

とくに認知症高齢者の場合、同じものを買ってきたり、支払いがうまくできなかったりなど、日常生活での困りごとが発生しはじめ、その限界も間近と感じて、関係者は一生懸命受入施設を探したりします。私たちが運営する高齢者住宅やグループホームも、そんな方々に不安なく過ごしていただくための施設ですが、先日、ある取り組みを知って「ほうっ」と感心ました。

 

「認知症買い物セーフティーネット」というその取り組みは、お店や地域の皆さんに認知症という病気のことを知ってもらい、理解していただくことで、買い物を通して地域の中で認知症の人を見守る支援の輪を作っていく取り組みです。

認知症といえども、まずお元気で足腰も丈夫。長年続けてこられた日常生活動作はしっかりしていて、覚えていたり判断したりすることに少し支援があれば、まだまだ住み慣れた場所で生活できるレベルの人もけっこうたくさん居られます。

 

お店や出かけた先で、知識に基づいた少しの支援があれば、その地域で安心して暮らせるというわけです。一定の研修を受けられた方がいるお店には、こんなステッカーも貼られます。

 

高齢者受入施設の整備は、国を挙げてその増強に取り組み中ですが、地域ごとにそんな支援の輪が広がれば、狭い箱に押し込められて余生を過ごす時間も、もう少し減らせるのかもしれません。実家に帰った折、黄金色に色づいた水田の脇で、嬉しそうに立ち話をしているおばあちゃんたちを見ながら、そんなことを思いました。

秋もいよいよ本番。どうぞお元気でお過ごしください。

正木の家 H25.9月

カテゴリ名: 正木の家

うだるような暑さのため散歩外出ができませんでしたが、9月に入り朝晩の涼しさに誘われ、数日前から散歩外出を始めました。

季節の移ろいを感じながらの散歩は、リビングでは見せてくれない笑顔を再発見することができます。入居者様、スタッフともに気分転換できる貴重な時間だと思います。

 

季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。

そんな中、K様が亡くなられました。

いつもニコニコ顔で冗談を言っては場を和ませて下さいました。お仕事をお願いすると「はいよ」っていつでも手伝って下さいましたね。

「今日はお体えらくありませんか」とお聞きすると『大丈夫。大丈夫』と言われるK様でした。

「人生いろいろ」K様の人生も山あり谷ありといろんなことを積み重ねてこられたことでしょう。

家族葬でしたので見送られる方は限られていましたが、K様の優しさがご家族皆さんに伝わっているかのような心温まるご葬儀でした。

夏祭りに来られたひ孫さん二人がおじいちゃんとのお別れに涙を流されていたのはとても印象的でした。

K様、優しい時間を一緒にすごさせていただきありがとうございます。

私達、職員に無言の教えをいただけたこと、真摯に受け止め今後に活かしていきます。

ご冥福をお祈りいたします。合掌

ヘルパーのつぶやき H25.9月

カテゴリ名: ヘルパーのつぶやき

8月、毎日朝夕のオムツ交換に入らせていただいていたS様が亡くなられました。熱心にS様の介護を続けてこられたご主人も、要支援でヘルパーの訪問を受けておられます。

葬儀のあとにうかがうと、奥様が使っていたベッドもポータブルもきれいに片づけられ、広くなった部屋でポツンと放心したように座っておられました。

「何もやる気がしない・・」、「食事もほしくない・・」とおっしゃり、ちょっと心配をしていました。

数日後、改めて訪問するとリビングに水槽が!

独居の淋しさをまぎらわすために熱帯魚を飼うことにしたのだそうです。最初はヘルパーに「なにかペットを飼おうと思うけれど、どんな動物がいいか?」とたずねられ、私たちのおすすめは「文鳥」だったのですが、結局熱帯魚のグッピーになりました。「こんな小さなものでも、生き物が同じ部屋にいるのはいいものです。」とおっしゃり、明るい水槽でキラキラ光るグッピーたちに目を細めておられました。

今、おもうこと H25.9月

カテゴリ名: 今おもうこと

暑い暑いといっている間に八月も過ぎ九月も半ば近く。まだまだ過ごしにくい毎日ですが、朝夕には涼しい風も吹いて季節のうつろいを感じます。酷暑だった日々の疲れが出やすい時期ですが、皆様お変わりありませんか。

私事、目先の仕事に追われる毎日は相変わらずですが、8日の早朝には東京五輪開催決定のニュースも耳にし、おろおろしている自分より先に、またひとつ新しい時代が回り始めるんだなぁと実感した九月初旬でした。

 

過日、中区のあるドクターから連絡があり、次のような相談をされました。

普段ドクターに対しては、自分の健康状態も含め、こちらから相談をすることがほとんどなので、連絡をもらったときは正直ちょっと驚きました。

認知症専門医でもある先生曰く、「地下鉄に乗って診療に来て、薬も処方して帰す。でもそれ以外の時間は何をどうして生活しているのか、まったくわからない。そもそも診療室に来るときは緊張して一番よい状態で来る。ところが診療室を出たとたんにおかしなことを言い始めて、看護師が報告してくるようなこともある。自宅では薬も服用できていないかもしれない。こんな医療を続けていても、医療費だけ膨らんで国家財政が破たんするだけだ!」

 

概ねそんな内容の話しのあと、「今後も増え続ける認知症患者に対しては、早期発見・進行抑制のための日中活動などを積極的に進めていく必要があり、私も実践例としていくつかの事業を始めているが、住み慣れた場所での生活維持のためには、やはりその地域で支援するのが一番。

そこで、中区においては、君のところでそんな役割を担うつもりはないか?」

 

日頃からこの地域の介護支援ニーズに対しては、積極的に参加してきたつもりですし、皆様の奮闘努力のおかげで、利用者の在宅生活が継続可能となっているケースもたくさんあります。国が進めようとしている地域包括ケアの大命題も、医療・福祉連携となっています。ドクターの目指すところもまさにそこの具現化でしょう。

 

具体的には認知症対応型の通所介護サービスで、日中の生活支援を通じ、病気の進行を抑制するというような仕組みです。ただ一事業所が踏ん張ったところで、どれほどの成果が得られるのか?人材は確保できるのか?収支はどうか?

ことの重大性や意義は充分理解できますし、地域のニーズに対する受け皿として事業所を成長させるための方策としては、おおいに検討に値する話だと思います。

 

まだ結論を出すまでには至っていませんが、しばらく胸を砕く日々が続きそうです。

少しずつ秋の気配も深まり、過ごしやすくなりますね。どうぞお元気でお過ごしください。   丸山榮出樹

正木の家 H25.8月

カテゴリ名: 正木の家

もうすぐお盆です。私事ですが、昨年11月、今年7月と身近な人を見送りました。

『お盆には亡くなった人の魂が戻ってくるからご馳走を作ってもてなす。親戚が集まり故人を懐かしみ、元気で暮せることをご先祖様に感謝する日』と、子供の頃教わりました。

宗派が違うと、お盆の在り方も違います。

お寺さまは、「新盆でも特にこれといっての準備は要りません。合同法要に出席してもらえばそれでよい」とのことでした。供養は生きている者の役目だと思います。

私も自身で納得できる供養をしたいと思います。

 

夜回り先生こと水谷修氏は仏教を勉強され、8/6 の中日新聞にこんな掲載されていました。

無財の七施・・・笑顔が人の役に立つ

《七施》・和顔施 誰かと目が合ったら笑顔を返すこと

・眼施  優しい目で人と接すること

・言施  人にやさしい言葉をかけること

・身施  体を使って人のためになること

・心施  思いやりの心で接すること

・床座施 人に席を譲ること

・房舎施 人を家に泊めてあげること

七施すべてできたら高僧になれるかもしれませんね。毎日の暮らしの中で、私はいくつの施ができるかなと自身に問いかけてみました。昨日のあの時はやさしい言葉をかけたけど、優しい目をしていたかな?入居者様と目があったとき、笑顔で挨拶できていたかな?誰でもができることのようで、難しい七施です。

日々の中で一つでも多く施ができるように生き、故人への土産話を沢山持っていきたいと思います。         (赤)